文学部仏教学科を2021年度に卒業された佐古 晴紀さんに、在学中に学んだこと等について語っていただきました。
※このページに掲載されている内容は、取材当時(2026年7月)のものです。

現在は京都府警察本部交通機動隊に所属し、白バイや覆面パトカーに乗務して交通取締りに従事しています。
大学卒業後は京都府警察に入職し、京都府警察学校で約半年間の訓練・研修を受けました。その後、京都府南丹警察署地域課に配属され、交番勤務員として約2年間勤務した後、交通機動隊へ異動して現在に至ります。
警察官は人との繋がりが多い仕事です。府民の方々をはじめ、上司や先輩、後輩、同期など様々な人と関わる仕事で、大学時代に学んだ仏教の考え方が役に立つ場面がとても多いと感じています。

学ぶ楽しさを実感した4年間

入学当初は、仏教の知識はありませんでした。しかし、授業で学んだのは経典の内容だけではありませんでした。授業の内容を通して、「相手といかに向き合うべきか」という問いを感じるようになり、自分自身の考えを見つめ直す深い学びを得ることができました。そこに仏教の奥深さを感じ、4年間を通して関心を高めながら学び続けることができました。また、大学の先生方は、学生が少しでも理解しやすいように、さまざまな工夫を凝らした授業をしてくださいました。仏教について何も知らない状態で入学した私でしたが、基礎から分かりやすく学べる授業だったため、楽しみながら学ぶことができました。

卒業論文では「仏教と平和」をテーマに、仏教と戦争問題との関係について考察しました。卒業論文を通して平和について考えた経験は、地域の治安維持に携わる今の仕事にもつながっていると感じます。興味を持ったことを深く掘り下げ、自分自身の考えを見つめることができたのも、大学で学ぶ楽しさの一つでした。

夢への挑戦を支えてくれた大学での学び

警察学校入校中同期と撮影した写真
警察学校入校中同期と撮影した写真

大学卒業後は、幼い頃からの憧れだった白バイ隊員をめざし、京都府警察に入職しました。採用試験の際には、キャリアセンターの手厚いサポートやアドバイスのおかげで、自信を持って採用試験に臨むことができました。
警察官となってからは、半年間の警察学校での生活が始まりました。当時はコロナ禍ということもあり、外出や帰宅に大きな制限がある中、厳しい訓練や難しい授業に取り組む忙しい毎日を過ごしました。そのような環境の中で、同期生とのつながりが大きな支えとなりました。

警察学校の同期生とは、同じ環境で同じ釜の飯を食べる生活を通して、強い信頼関係が生まれ、今でも家族のような存在です。厳しい環境だからこそ、仲間を支え、支えられることの大切さを学びました。こうした経験を通して、人と人とのつながりの大切さを改めて実感しました。それは、大学で仏教の教えを通して、自分自身を見つめ直すとともに、相手を思いやる心や人との関わりについて深く考える機会を得ていたからこそだと感じています。

仏教の学びを礎に、人と向き合う警察官へ

警察学校卒業後、初めて配属された京都府南丹警察署では、地域の安全を守る交番勤務を経験し、その中で様々な事件や事故の対応をしました。その他にも、パトロールやイベントなどを通じて、老若男女を問わず地域の方々とコミュニケーションを取り、充実した2年間を過ごしました。

また、共に働く上司や先輩、後輩にも恵まれ、厳しくも温かい指導を受ける中で関係性が構築され、私生活でも食事やキャンプに出かけるなど、異動した現在でも交流が続く大切な方々に出会うことができました。警察官として働いているなかで、目標であった白バイ隊員になるため、目の前の仕事を一つひとつ真摯に取り組み、その姿勢を応援してくれる方々の支えもあって、念願の交通機動隊への異動が叶いました。
異動後は、新隊員訓練という約3ヵ月間の訓練を経て、ようやく目標であった白バイ隊員としての第一歩を踏み出しました。今では白バイ乗務を始めてから2年になりますが、今も上司や先輩方の姿を見て学び、自分自身の成長をめざして日夜頑張っています。現在は交通機動隊で白バイ、覆面パトカーで交通違反を取締り、1件でも悲惨な事故をなくしたいという気持ちを持って活動しています。

特に、飲酒運転については「少しなら大丈夫」「自分は捕まらない」といった身勝手な考えが重大事故につながり、何の罪もない人を巻き込む危険性があると強く感じています。大学の授業や卒業論文を通して仏教や平和について学び、考えた経験があるからこそ、そんな人の弱さや迷いを考える際にも、仏教学の視点から相手の考えや行動を捉えることができ、今の仕事にも役立っていると感じます。また、飲酒運転の危険性を伝えることで犯罪を未然に防ぎ、府民の方々が安心して生活できるようにしていきたいです。
現在、警察官として業務に励んでいますが、ふと振り返ると、人と向き合い信頼関係を築くための根底には、いつも大谷大学で学んだ人の課題を見つめる仏教学の視点がいまの私にあると気づかされます。

大谷大学で学んだことは、知識として残るだけではありません。社会に出た今も、人と向き合い、地域の安全や平和を守るために自分に何ができるのかを考える、私自身の大切な土台となっています。皆さんもぜひ、一つひとつの学びを大切にしてください。

PROFILEプロフィール

  • 佐古 晴紀(さこ はるき)

    文学部仏教学科 2021年度卒業

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