2024年9月 御命日勤行・講話 厳修

9月27日(金)10時40分より、9月の「親鸞聖人御命日勤行」を本学講堂において厳修しました。
勤行は、学長の調声のもと『正信偈』を唱和しました。その後、学生が感話を、松浦典弘教授が講話を行いました。

「感話」及び「講話」で話された概要を、以下のとおりご紹介します。

学生による感話

私にとっての親鸞聖人

私は、別の大学に4年間通い、卒業後、編入学という形で大谷大学へ入学しました。
感話において「私にとっての親鸞聖人」を考えたとき、親鸞聖人を「厄介な存在」であると感じました。なぜなら、親鸞聖人の“せい”で浄土真宗が起こり、たまたま自分自身が浄土真宗のお寺に生まれることによって大谷大学に編入しなければならず、難しい真宗の勉強や古文を学ばなければなりません。そう思うと親鸞聖人は厄介な存在です。
しかし、親鸞聖人のおかげで、都合よく「人」や「何か」の“せい”にする「私」に気づかされました。それは大谷大学で親鸞聖人について学びを深め、そのお言葉やその生涯に触れることによって気づかされた「私」の姿でした。
また、大谷大学で友人や先生など様々な人に出会い、今まで経験できなかったことにも出会うことができました。
私にとって親鸞聖人は厄介な存在ですが、卒業するまでに、この「厄介だな」が「ありがたいな」と心から思える人間となって人生を歩んでいきたいです。

本学教員による講話の概要

敦煌学百二十年

文学部歴史学科 松浦 典弘 教授

松浦典弘教授による講話の様子
松浦典弘教授による講話の様子

松浦教授は、「敦煌は、日本から見て中国の中でも馴染みが深い場所であり、仏教石窟は世界遺産にも登録されている。その石窟の一つで、1900年、4世紀末から11世紀の初頭に至る文献が、発見された。
しかし、欧米列強が盛んにアジアに進出していた当時、イギリスやフランスなどの探検隊が石窟を訪れ、様々な文献を持ち帰り、貴重な文献は世界中に散らばってしまった」と述べました。
また、日本での敦煌学研究について、「1950年代に主要文献のマイクロフィルムが完成し将来されたこと、1980年代のそれを焼き付けての紙媒体としての出版、1990年代以降の図版の出版とホームページ上での写真の公開により、研究は発展していった」と述べました。
最後に、「大谷大学にも所蔵されている文献はあるが、偽物が多く存在することもあり、あまり表には出せていない状況である。今後、さらに研究を深め、公表していく必要がある」と講話を締めくくりました。