アジア文化コースで映画『ニジノキセキ』上映会を開催【国際学部】

当日の上映会の様子
当日の上映会の様子

4月18日(火)、本学響流館メディアホールにおいて、映画『ニジノキセキ』の上映会(2019年/80分/日本/監督:朴英二、金功哲)を開催しました。

国際文化学科アジア文化コースを担当する鄭祐宗准教授の働きかけのもと開催された同上映会には、「国際文化演習Ⅲa-7」(喜多恵美子)、「国際文化演習Ⅲa-8」(鄭祐宗)、「東アジアの文化2」(姜文姫)の各授業の受講生が参加しました。

映画『ニジノキセキ』は、学校法人兵庫朝鮮学園に通う在日コリアンの高校生、中学生、小学生を主人公に、JR神戸線での通学風景、学校での学び、家庭生活にフォーカスし、民族教育に関わる日常の風景を描いています。

鄭祐宗准教授は、「学生たちが同作品を鑑賞することを通じて、在日コリアンの民族教育に関わる日常的実践に触れ、民族的背景が尊重され自己肯定感をはぐくむ場を保障することの意味について考える機会を提供したかった」と、話していました。また、「学生たちにとっては、民族教育の始まりから、同化状況における母国語・継承語への権利、こうした自由を回復し獲得する運動の軌跡について学ぶ機会となったのではないか」とも語っていました。

同作品は、民族学校で学ぶ生徒たちの明るさ、屈託のなさと、生徒たちに向けられる民族差別の現実との、両立不可能とも思える現実のあり様を捉えます。

映画を鑑賞した学生からは、「今まで差別を他人事のように思っていたのは、自分が日本に住み日本語を話す日本人で、マジョリティ側の人間だったからだと気付いた」との感想が寄せられたほか、その後の振り返りの回では、「民族教育は単なる語学教育ではなく、存在を否定されるかもしれない中でアイデンティティーを形成し、自分が置かれている環境を理解しながら受け入れ、自分の居場所がここであると主張することができ、結果学校に通って良かったと思える教育であると私は理解しました」と、学びの成果が語られました。

国際学部では、映画上映会、ゲスト講義、フィールドワークの開催等、引き続き座学に留まらない実践的な学びを展開していきます。

【国際学部 国際文化学科】 

PROFILEプロフィール

  • 鄭 祐 宗 准教授 Jong, Ujong

    博士(文学)

    【研究領域・テーマ】
    近現代朝鮮日本の政治社会史/国際法・国際政治史/等しく生きる自由 / 准教授