研究内容

高齢期における人びとの生き方について、南島と北部九州をフィールドに調査研究を実施してきました。博士論文では老いる身体との関わりや人生の物語、親しき死者や民俗宗教との関わりに着目し議論を行いました。最近ではとくに高齢期の宗教との関わりに関心を持ち、民俗宗教と関係の深い教団の研究もはじめています。また自身の研究テーマとは別に学生以来行政の民俗調査に参与し、祭礼や民俗行事の調査も行っています。

ゼミ紹介

皆さんが関心のある社会事象や社会問題は何でしょうか?演習では、社会学・人類学の専門的な知識や手法を習得し、身に付けた知識や手法をもとに関心のある事象や問題について文献・資料・現地調査で探求していきます。調査で得られた各自の成果は、演習内で発表し、全員で議論して深めていきます。日常の「当たり前」を見つめ直すことで各々の問いを発見し、ともに考えていきましょう。積極的な参与をお待ちしています。

主な担当授業科目

社会学演習/社会動態論/社会学文献講読(現代文化)

所属学会

日本老年社会科学会/日本文化人類学会/日本宗教学会/日本民俗学会など

経歴・活動歴

経歴

福岡県生まれ。九州大学大学院人間環境学府人間共生システム専攻博士後期課程単位修得退学。人間環境学博士(九州大学)。福岡大学・福岡女学院大学・九州大学・関西学院大学・名古屋学院大学等非常勤講師、南山大学研究員(南山宗教文化研究所 ヴァン・ブラフト奨励研究員)を経て、2022年4月に現職。

活動歴

福岡市史編さん委員会専門委員[民俗部会](2012年12月~現在に至る)
北九州市文化財保護審議委員(2015年6月~2017年5月、2017年9月~2019年8月)

主要著書・論文

単著

  •  『老いる経験の民族誌—南島で生きる〈トシヨリ〉の日常実践と物語』(九州大学出版会、2017年)

共著

  •  『民俗学読本—フィールドへのいざない—』[分担執筆](髙岡弘幸・島村恭則・川村清志・松岡薫子(編)、晃洋書房、2019年)

論文

  •  「生活実践としての仏教—高齢女性と寺院の親密性に関する一考察」(『宗教研究』360号、日本宗教学会、2009年)
  •  「民俗の思考法—〈とわかっている、でもやはり〉を端緒に」(『日本民俗学』260号、日本民俗学会、2009年)
  •  「老いの安寧と死の関わり」(『九州人類学会報』38号、九州人類学研究会、2011年)
  •  「畏怖の保存—情感の共有を考える一試論」[研究ノート](『日本民俗学』301号、日本民俗学会、2020年)など