2025年度開学記念式典並びに初代学長清沢満之謝徳法要 厳修

勤行の様子
勤行の様子

10月11日(土)午前10時より、本学講堂において「2025年度開学記念式典並びに初代学長清沢満之謝徳法要」を執り行いました。

開式後は、仏教讃歌の後、学長の調声のもと全員で『正信偈』を唱和しました。その後、学長挨拶に続き、蓑輪顕量 氏(立正大学 教授)による記念講演を拝聴しました。

「学長挨拶」及び「記念講演」の概要を、以下のとおりご紹介します。

学長挨拶

一楽学長による挨拶
一楽学長による挨拶

一楽学長は、「本学は、東本願寺の学寮として始まり、現代の問題や人間の問題をどう考えていくのか、だれもが持っているものの見方、考え方を問い直すということの大切さを、親鸞聖人の教えをもとに進めてきた。現在では、「Be Real 寄り添う知性」という言葉で表されている。何が本当に大切なことなのかを問い続け、これを見つめていける人を育てたいという願いがある。開学記念日を縁として、改めて願いや存立の意味を考えていただきたい」と挨拶しました。

記念講演

釈尊からのメッセージ—現代社会が必要とするものー

蓑輪 顕量 氏(立正大学 教授)

蓑輪先生による記念講演
蓑輪先生による記念講演

蓑輪先生は「現代社会が必要とするもの」として、仏道における行の側面からお釈迦様の教えを述べられました。先生は、「お釈迦様が見いだしたのは「心の拡張性を静めること」「自己中心性を離れること」「他者への共感を持つこと」の三つであり、その中心にあるのが「サティ(気づき)」の実践である。私たちの苦しみは、世界を認識した後に起こる自動的な反応から生じ、瞑想によってその反応を鎮め、今この瞬間の行動を意識することで、心の安らぎへと導かれる」と述べられました。
また、「慈悲の実践を通して他者を思いやる心を育てることが、人間にとって必要なものであるが、それはまた本来持つ力でもある」と述べられ、最後に「自己を中心とする心を離れ、他者と共に生きる心が、現代社会に必要なものではないか」と講話を締めくくられました。