任期制助教企画による共同企画「学生のためのガクモン講座」を開催

ガクモン講座 ポスター
ガクモン講座 ポスター

学問することの意義や喜びを学生たちに伝えることを目的に、総合研究室では、2012年度より任期制助教による共同企画「学生のためのガクモン講座」を開催しています。

本年度の「ガクモン講座」は、12月5日(火)に「リアルって何だろう?」をテーマに開催しました。

「リアル」とは、「現実的」や「ありのまま」といった意味合いをもつ言葉ですが、それが実際のところ何であるのか、あらためて考えることはありません。この、身近ながら漠然とした「リアル」を見つめなおすために、まず、四人の助教が登壇し、真宗学・仏教学・哲学・歴史学の観点から次のような話題を提供しました。

私たちが自分自身を省みるときに見えてくる、自らの弱さというリアル。本当は錯覚でしかないにもかかわらず、私たちが物事をみるときに感じ取ってしまうリアル。私たちが生きていくなかで抱く不満や希望から、ファクトに模して作り出してしまうリアル。ゲームのような非現実的なフィクションが、私たちに感動を与えてしまうときのリアル。

このように、登壇者がそれぞれの専門分野の観点から「リアル」を解説することで、「リアル」がもつ多様性を浮かび上がらせました。

その後、登壇した助教同士でパネルディスカッションを行い、「何を「リアル」とみなすのか、その見方は学問ごとに異なる。しかし、どの学問においても「リアル」なるものは私たちがどのように生きているのかという、根本的な問題に関わっている」ことを確認しました。

そして、助教と学生のあいだでフロアディスカッションを行いました。何を「リアル」とみなすのか、その見方が生き方や価値観によって異なるのだとしたら、「良いリアル」や「悪いリアル」があるのか。そうした複数のリアルなものの間で、私たちは何を基準に、自分にとっての「リアル」を選び取るのか…と、正解を持たないような難問に、学生たちも積極的に意見を述べて議論を深めました。私たちが向き合うべき問題について助教と学生がともに考えを巡らせる、貴重な機会となりました。
 
企画した助教からは「学問というと、いかにも高尚で難解なイメージがあるかもしれませんが、実際には、日常の疑問に答えてくれることや、私たちの人生に寄り添ってくれることもあります。今回のガクモン講座のように、引き続き、専門的な知識を教えたり、ときには共に考えたりして、学んでいくことができれば」という感想がありました。

  • 話題提供の様子(真宗学の観点から)
    話題提供の様子(真宗学の観点から)
  • ディスカッションの様子
    ディスカッションの様子

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