2023年度開学記念式典並びに初代学長清沢満之謝徳法要 厳修
10月7日(土)午前10時より、本学講堂において「2023年度開学記念式典並びに初代学長清沢満之謝徳法要」を執り行いました。
開式後は、仏教讃歌の後、学長の調声のもと全員で『正信偈』を唱和しました。その後、学長挨拶に続き、森本あんり 氏(東京女子大学学長)による記念講演を拝聴しました。
「学長挨拶」及び「記念講演」の概要を、以下のとおりご紹介します。
学長挨拶
「本学は、遡ると1665年東本願寺の僧侶の学問所として始まった。それが、大学という形をとり、近代の問題など、改めて人間のことを確かめていくために開かれたのが清沢満之先生の東京巣鴨にての開学であった。毎年10月13日を開学記念日と定め、大谷大学はどのような願いで開かれたのか、何のために世の中に存在するのかということを確かめる大切な日である」と本学開学について述べました。
また、「大学は現代社会の中にある限り、世の中のニーズに応えないといけない。しかし、そればかり追い求めていくと、世の中の価値観に流されるだけである。清沢満之先生は、人間が何を依りどころとして生きていくのか、これを確かめていくために大谷大学を開かれた。このような願いをもって今日という日を迎えたということを、皆さんと共有しておきたい」と挨拶しました。
記念講演
建学の精神を今こそ
森本 あんり 氏(東京女子大学学長)
「リベラルアーツとは、人間の問題を考える学問や姿勢を指すことであり、いかにして人間がより人間らしくあり得るかを追求する学問である。東京女子大学は、創立から一貫してリベラルアーツ教育を掲げ、実践してきたキリスト教の精神を持った女子大学であり、職を得させるために専門の教育を与えるのではなく、どのような仕事に対しても忠実に行うことのできる人間教育である。世間では、現在まで一つの研究だけを追求することが社会の進歩につながると教え込まれているが、人間全体の成長を促すような勉強を大学で行わない限り、科学技術のみ発展し、社会は持続しない」と述べられました。
最後にご自身の著作を引用され、「大学は、学生に自己実現を奨励し追求させるばかりでなく、そういう自己の本性的な欲求を批判的に吟味し、これにみずから挑戦することを学ぶ場でもなければならい」と講演を締めくくられました。