2022年度「大学報恩講並びに歴代講師謝徳法要」厳修

11月26日(土)午前10時より、本学講堂において大学報恩講並びに歴代講師謝徳法要を厳修しました。

宗祖親鸞聖人の御影と歴代講師軸が掲げられた講堂で、学長の調声のもと『正信偈(真四句目下)』を唱和して報恩講を厳修した後、引き続き歴代講師謝徳法要では『佛説阿彌陀経』の読経の中、来賓をはじめ、教職員並びに学生の代表者が焼香しました。
勤行の様子
法要終了後、学長からの挨拶があり、「報恩講というのは、真宗門徒にとって一番大事な行事である。恩に報いると書くが、日頃どのような御恩をいただいて私がここにいるのか、それと同時にいただいた御恩にどう応えていくのか、どのような人生を歩んでいくのかを改めて確かめる日である。また、蓮如上人は『御文』で「御命日」を「御明日」と記している。親鸞聖人の亡くなられた日を縁として、私たちの生き方を明らかにする日であるということを「御明日」という言葉で教えてくださっている。本当に大切なものは何であるのか、これから先どこを向いて歩いていくのかを明らかにする。そういう日として報恩講がある」と述べました。
  • 一楽学長による挨拶
  • 友田孝興名誉教授による記念講演


引き続き、友田孝興本学名誉教授により、「賢者ナータンの知と徳」の講題で記念講演が行われました。

講演では、レッシングの著書である『賢者ナータン』について、「現代社会を取り巻く戦争や流行病、自然災害など人間の我欲に満ちた対話なき独善性を超える道を示しているのがこの作品である。作者レッシングがより良きキリスト教徒とは何であるのか自分自身に問いかけ、最終的に行き着いた知と徳の結晶である」とご教示いただきました。また小説の中で、「人々はナータンに出会うことにより、偏見から解放される。それは、ナータンが真理の探究者であり、それと同時に愛の実践者であるからである」と述べられました。最後に、「自らの学問を深めると同時に、内なるものと外なるものとの相互照映を大事にし、益々の研鑽を深めていただき、大谷大学がさらに発展することを念じている」と締めくくられました。

その後、学内食堂に会場を移してあずき粥のお斎がふるまわれ、参列の方々に召しあがっていただきました。

なお、新型コロナウイルスによる感染状況に鑑み、入場者を学生及び教職員の学内者のみに限定し、感染防止対策を講じたうえで執り行いました。 
【総務課】 

参考/歴代講師

講師職は、東本願寺(真宗大谷派)の教育機関である学寮における最高責任者でした。学寮長であると同時に、学頭として学事一切を司り、安居の本講を担当しました。学寮に初代講師職が置かれた正徳5年(1715)から明治40年(1907)に廃止されるまでの約190年間、講師職は27人を数え、これらの方々を、後の学階条例による講師と区別して歴代講師といいます。