2022年6月 御命日勤行・講話 厳修
「感話」及び「講話」で話された概要を、以下のとおりご紹介します。
学生による感話の概要
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テーマ:私にとってのBe Real
アイドルやコスメなど、自分の好きな物を通して見た韓国を「韓国の文化」とひとくくりにして知ったつもりになっていました。しかし、小さい頃から出入りしていたウトロ地区に住む在日朝鮮人に対する差別問題と「韓国」とを無意識に別物として考えてきた矛盾に、大学に入ってから気がつくようになりました。ゼミの授業で植民地支配や、差別について学んでいくなかで、これまでの見聞きしていたいくつもの点がつながり、線になったからです。これからは、さらにこの線を太く、長いものにしていきたいです。
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テーマ:大谷大学での学び
コロナ禍において、身体上の都合で対面授業を受けることが難しかったですが、職員や先生方の支援によりオンラインで授業を続けることができました。Zoomなどを通したWebでしか授業に参加していませんでしたが、それは多くの人の支えの上に成り立っているものでありました。バーチャルとは、決して実体を持たないものではなく、リアルそのものであるということに気づきました。最初のうちは、本当に学生として認められているのか、これは学びといえるのかという不安や疑問もありましたが、実際にはオンライン環境にも人とのつながりは根付いていました。オンライン授業を通して、他者のありがたみに包まれた2年間でした。
本学教員による講話の概要
真宗保育の実践課題 –子どもの豊かな育ちと学びをめざして–
冨岡 量秀 教授

講話では、「真宗保育とは何か」を保育者に共有し、一緒に子どもたちの学び、育ちをどう支えていくのかを真宗保育の実践的な課題としてあげて話しました。
そして「真宗保育を通して子どもたちがそのままでいて安心し、その子どもたちとともにいることで保育者が自らの矛盾や課題とであい、人間として生きる本当の意味を知らされる。保育とは、保育者が子どもの将来を見据えて願いを込め、自らの経験を受け渡す営みである。保育者自身の考え方、経験が子どもたちに影響を与えるからこそ、保育者が何を大切にしているかが重要である」と述べました。
最後には、「真宗の教え、願いに出遇い、子どもたちがその瞬間を精一杯生ききったという実感を持てるような保育実践、そのような瞬間を作ってあげることが私たちの課題である」と講話を締めくくっています。