本学がインド政府から「仏教学振興賞」を受賞

大谷大学が、仏教研究の推進に貢献した功績を表する「仏教学振興賞 Award for Promotion of Buddhist Studies」の第1回受賞者に決定し、3月29日(火)に、本学響流館(こうるかん)において、サンジェイ・クマール・ヴァルマ駐日インド大使閣下から賞が授与されました。

仏教学振興賞は、インド政府の「インド文化交流評議会(ICCR)」が、国籍、人種にかかわらず、仏教学の振興に顕著な功績のあった個人・団体を表彰することを目的として設立しました。インド政府によって構成される審査委員会が全世界から毎年1件のみ授与する国際的な賞であり、第1回目として大谷大学が受賞しました。
授賞式での記念撮影(写真中央/サンジェイ・クマール・ヴァルマ駐日インド大使閣下)
授賞式での記念撮影(写真中央/サンジェイ・クマール・ヴァルマ駐日インド大使閣下)
本学は仏教の大学として長年の歴史を有し、近代的な仏教研究の基礎形成に大きな役割を果たしてきました。1899年には文部省(当時)より我が国における文学博士の第1号を授与された南条文雄、さまざまな仏教資料を英訳して海外に広く知らしめた鈴木大拙をはじめとし、国際的に著名な仏教研究者を数多く輩出しています。

1917(大正6)年に、インドの詩人ラビンドラナート・タゴール氏が真宗大谷派(東本願寺)に訪問され、タゴール氏と南條文雄学長(当時)と会談して以来、近年では大谷大学図書館における仏教に関する数々の貴重資料の所蔵、タイ王国から寄贈されたパーリ語貝葉写本の研究や海外の大学との共同研究プロジェクト推進など、インド学・仏教学の国際的な研究活動とインドとの長年にわたる交流やインド文化への取り組みが、仏教振興への総合的な貢献であると高く評価され、この度の受賞に至りました。

授与式においてサンジェイ・クマール・ヴァルマ駐日インド大使閣下は「1958年にインド初代大統領ラジェンドラ・プラサード博士が大谷大学を訪問されたことが、インドと大谷大学の継続的な協力関係の強力な土台となりました。最近では、2021年に在東京インド大使館と大谷大学が合同で仏教会議を開催し、成功を収めたことは、私たちの変わらぬパートナーシップを示すものであります」と挨拶されました。

木越学長は「先学の業績が高く評価されたことを感謝するとともに、これからの仏教研究を進めていくにあたり責任を重く感じています」と述べました。
  • 記念盾授与の様子
    記念盾授与の様子
  • 賞状
    賞状
また、大谷大学とインド共和国との非常に長きにわたる交流の証として、インド政府より仏像(釈尊座像)が贈呈されることとなり、今回の賞授与式に先駆けて仏像贈呈式も同日に行われました。寄贈された仏像は響流館に安置しています。
仏像贈呈式後の記念撮影の様子
仏像贈呈式後の記念撮影の様子
  • 贈呈された仏像(釈尊座像)※H100㎝×W100㎝×D75㎝
    贈呈された仏像(釈尊座像)
    ※H100㎝×W100㎝×D75㎝

参考①

大谷大学とインド共和国との交流の歴史

1958年の初代インド大統領 ラジェンドラ・プラサード博士(Dr Rajendra Prasad)への名誉博士号授与(第1号)・記念講演、日印国交樹立50・70周年を記念する大谷大学との共催事業(2000年・2021年)、1991年から実施している「インド仏教遺跡研修(2週間)」(現在は、正規授業科目「インドの宗教と文化」として実施)などがあげられます。

参考②

インド文化交流評議会(ICCR/Indian Council for Cultural Relations 本部はニューデリー)

1950 年に初代文部大臣マウラナ・アブル・カラム・アザド氏によって設立されました。インドのほぼ全州に地域事務所があり、東京のインド大使館にある「ヴィヴェーカナンダ文化センター(Vivekananda Cultural Centre)」などを含む、各国に 36 の国際文化センターが設置されています。目的は、インドの対外文化関係に関わる政策やプログラムの策定と実施に積極的に参加、インドと他国との文化関係や相互理 解を育成・強化、他国や人々との文化交流を促進し、国家との関係を発展させることなど、さまざまな活動をされています。