近代化120周年(創立356年) 2021年度開学記念式典 厳修

10月13日(水)午前10時より、本学講堂において「近代化120周年(創立356年) 2021年度開学記念式典」を執り行いました。 開式後は、仏教讃歌の後、学長の調声のもと全員で『正信偈』を唱和しました。
勤行の様子
次に、大谷暢裕真宗大谷派門首より来賓挨拶をいただきました。
続いて、学長より「大谷大学の歴史は、1665(寛文5)年に東本願寺内に設置された僧侶の養成機関である学寮にはじまるが、1901(明治34)年に東京の巣鴨で「真宗大学」として開学された10月13日を本学の開学記念日と定めている」と本学開学についての説明がありました。また、「清沢満之先生は、宗教的信念の確立がこれからの社会に必要とされる人間教育の原点であると確信されていた。先生により宣言された宗教教育の意義を問い直すと同時に、本学においては今後4学部にて教育活動を展開していくが、これからの教育活動及び研究活動を見据えるうえで、宗教学校としての意味を確かめる大事な機会としてほしい」と述べました。
  • 大谷暢裕真宗大谷派門首による挨拶
  • 木越学長による挨拶
引き続き、以下のとおり記念講演が行われました。 

講師 姜 尚中 氏
(東京大学名誉教授/熊本県立劇場館長兼理事長/鎮西学院大学学長)
講題 平和と自立共生
 
姜尚中先生は、平和・自立・共生について考えるにあたり、まず19世紀以降、とりわけ大戦・冷戦・地域戦争・テロなどの殺戮、革命による国家体制の転換など、20世紀の歴史を「破局の時代」「極端な時代」と厳しく考察された。その20世紀という歴史の背景を理解せずに平和を考えることはできず、また、文明・人種・宗教などの様々な違いがある中で共存できて初めて、平和について考えることができる。そして、平和・自立・共生の前提には民主主義があり、その民主主義は化け物のようなものをいつでも作り出す両義性に富んだ制度であることを忘れてはならない。この度のコロナ禍によって、これまでの科学技術信仰に基づく価値観を見直す機会を得た。成長か分配かという問題ではなく、民主主義を鍛え直し、そこから我々の将来に合致した中規模の、ほどよい親密圏を構成できるような社会を考えていくことで、現在の価値観とは異なるものが見えてくるのではないかとご教示いただきました。
姜先生による記念講演
最後に、学長より大谷大学第2次中長期プラン「グランドビジョン130(2022~2031)」の概要を発表し、詳細は2021年度末に公表することが報告されました。

なお、新型コロナウイルスによる感染状況に鑑み、入場者を学生及び教職員の学内者のみに限定するなど、規模を縮小し感染防止対策を講じた上で執り行いました。
【総務課】