2021年度「大学報恩講並びに歴代講師謝徳法要」厳修

11月27日(土)午前10時より、本学講堂において大学報恩講並びに歴代講師謝徳法要を厳修しました。

宗祖親鸞聖人の御影と歴代講師軸が掲げられた講堂で、学長の調声のもと『正信偈(真四句目下)』を唱和して報恩講を厳修した後、引き続き歴代講師謝徳法要では『佛説阿弥陀経』の読経の中、来賓をはじめ、教職員並びに学生の各代表者が焼香しました。
勤行の様子
法要終了後、学長からの挨拶があり、「報恩講とは、親鸞聖人の御命日を機縁として勤められ、阿弥陀如来と親鸞聖人のご恩に思いを致す法要である。大谷大学では、他者に尽くすことである“利他”を大事な精神としてそれぞれの専門での学びを深めている。仏教の精神を生きる人間となっていくために、日頃の活動を問い直す機縁としてほしい」と本学で報恩講を厳修する意義を述べました。
  • 木越学長による挨拶
  • 草野顕之名誉教授による記念講演
引き続き、草野顕之本学名誉教授により、「報恩講の歴史と意義」の講題で記念講演が行われました。

講演では、報恩講がいつから現在のような形態となりどのように民衆に広がっていったのか史料を基に考察されました。また、蓮如上人が重要視された信仰告白である改悔について、当時の門徒は自身の内心を人前で話すという経験がなかったためその行為が喜びとなり、改悔により救われると勘違いされた結果、改悔が本来の姿から変容していった様子が史料から読み取れると説明されたうえで、「報恩講が現代に続く直接の源流は蓮如上人が築かれたのではないだろうか」とお話しいただきました。

その後、学内食堂に会場を移してあずき粥のお斎がふるまわれ、ご参列の方々にお召しあがりいただきました。

なお、新型コロナウイルスによる感染状況に鑑み、入場者を学生及び教職員の学内者のみに限定し、規模を縮小して感染防止対策を講じた上で執り行いました。 
【総務課】 

参考/歴代講師

講師職は、東本願寺(真宗大谷派)の教育機関である学寮における最高責任者でした。学寮長であると同時に、学頭として学事一切を司り、安居の本講を担当しました。学寮に初代講師職が置かれた正徳5年(1715)から明治40年(1907)に廃止されるまでの約190年間、講師職は27人を数え、これらの方々を、後の学階条例による講師と区別して歴代講師といいます。