研究内容

唐代文学において、詩のみならず、律賦や古文、さらにはフィクション的要素が豊かな伝奇など、様々な作品を取り上げて読解、研究をしています。七世紀から十二世紀にかけての古代東アジア世界において、唐代文学はいかに日本、朝鮮半島に伝わってそれぞれの国の文人に受け入れられたのか、唐代文学の流れを汲む諸国独自の漢文学はいかに生み出されたのか、といった問題についても関心を持っています。古代東アジア漢文学の展開を少しずつ解明していきたいと考えています。

ゼミ紹介

 ゼミでは、唐代文学を中心に中国古典文学を読んでいます。南宋時代に成立した唐詩のアンソロジーであり、日本に舶来して五山の禅僧にも長らく読まれ、彼らの漢詩制作に大きな影響を及ぼした「三体詩」や、唐代文学ないし中国古典文学の転換期とされる中唐時代の代表的詩人・白居易の別集であり、平安朝貴族社会に広く愛読された『白氏文集』などを取り上げています。日本独自の伝統的読解法である「訓読」を用いながら、中国語の音読を通して「外国文学」としての中国古典文学を味わうことを目指しています。

主な担当授業科目

 文学科演習/中国文学概論/中国文学特殊演習/中国語

所属学会

日本中国学会/中唐文学会/京都大学中国文学会

経歴・活動歴

中国・江蘇省生まれ。京都大学大学院文学研究科中国語学中国文学専修博士後期課程修了。博士(文学)。京都大学人文学連携研究者、復旦大学中国言語文学系ポストドクターを経て、2025年に大谷大学文学部着任。

主要著書・論文

共著

  • 『<中国の詩学>を超えて 川合康三先生喜寿記念論集』(研文出版、2024)

論文

  • 「『和漢朗詠集』『新撰朗詠集』所収「暁賦」佚句考—東アジアに流伝した晩唐律賦—」
  • 「書屏風の盛行と流伝—唐人詩文の媒体として—」