渡辺 拓也 助教 WATANABE Takuya
- 専門分野
- 【労働社会学/都市社会学】
博士(文学)
【研究領域・テーマ】
都市下層/フィールドワーク/社会的排除
研究内容
慣習的な路上求人が行われる場所のことを寄せ場といいます。寄せ場は日雇い労働者の街でもあります。東京の山谷や大阪の釜ヶ崎は、さまざまな社会的矛盾が凝縮されたような場所です。しかし、そこに暮らす人たちはそれを跳ね返すようなエネルギーと共同性を持っていました。求人が減少し、労働者が高齢化して衰退傾向にあるなかで、そのエネルギーと共同性とは何だったのか、寄せ場とは何だったのかを考えながら研究を進めています。
主な担当授業科目
生活問題論/コミュニティデザイン概論
所属学会
日本社会学会/関西社会学会/日本労働社会学会/日本都市社会学会/日本寄せ場学会
経歴・活動歴
1979年山口県生まれ。2011年3月、大阪市立大学大学院文学研究科人間行動学専攻後期博士課程単位取得退学。博士(文学)。大阪公立大学都市文化研究センター研究員、特定非営利活動法人社会理論・動態研究所研究員を経て、2024年4月より社会学部コミュニティ学科任期制助教。
主要著書・論文
単著
- 『飯場へ 暮らしと仕事を記録する』(洛北出版、2017年)
共著
- 『それでもつながりはつづく 長居公園テント村 行政代執行の記録』(記録集編集委員会編、ビレッジプレス、2007年)
- 『ホームレス・スタディーズ 排除と包摂のリアリティ』(青木秀男編著、ミネルヴァ書房、2010年)
- 『釜ヶ崎のススメ』(原口剛・稲田七海・平川隆啓・白波瀬達也編著、洛北出版、2011年)
- 『占領期生活世相誌1 敗戦と暮らし』(山本武利監修、永井良和編著、新曜社、2014年)
- 『アーバン・カルチャーズ 誘惑する都市文化、記憶する都市文化』(岡井崇之編、晃洋書房、2019年)
- 『公園は「誰」のもの? 大阪城公園編』(大阪を知り・考える市民の会、2019年)
- 『グローバル化のなかの都市貧困 大都市におけるホームレスの国際比較』(山口恵子・青木秀男編著、ミネルヴァ書房、2020年)
- 『社会再構築の挑戦 地域・多様性・未来』(谷富夫・稲月正・高畑幸編著、ミネルヴァ書房、2020年)
- 『ルポ 日本異界地図 行ってはいけない!? タブー地帯32選』(風来堂編、清談社Publico、2024年)
論文
- 「フィールドと日常の間 長居公園テント村行政代執行の記録の作成を通して」(日本寄せ場学会『寄せ場』21号、35-53頁)
- 「生活保護受給者の就労実態 元野宿生活者の生活誌をもとに」(大阪市立大学社会学会『市大社会学』10号、17-33頁)
- 「下層労働市場の再編と飯場制度の現在 大阪都市圏の建設求人情報をもとに」(日本寄せ場学会『寄せ場』29号、5-24頁)
- 「まちづくりの落とし穴 反ジェントリフィケーションの釜ヶ崎」(『現代思想』青土社、47巻13号、60-69頁)
- 「野宿者運動における主体と都市空間の場所性 反ジェントリフィケーションと「路上コミュニティ」(社会理論・動態研究所『理論と動態』12号、95-113頁)
- 「公共空間を生きる人々 長居公園テント村の事例をもとに」(広島部落解放研究所『部落解放研究』29号、97-117頁)
- 「大阪市立大学におけるアカデミック・ライティング教育の課題と成果 『文学部基礎演習』と『基礎文章力向上セミナー』の事例をとおして」(石川優・大山大樹・佐伯(片倉)綾那と共著、大阪公立大学大学院文学研究科都市文化研究センター『都市文化研究』25号、52-65頁)