研究内容

寝転がったり、立ち上がったりする人生の中で、生きとし生けるものと「こんにちは」と挨拶できるだけで、なぜ心身が満たされ、あたたかくなるのか。逆に、他者が私に無関心だと、なぜそれだけで心身が凍りつき、引き籠りたくなるのか。こうした人生の身近な問題を、ショーペンハウアーやレヴィナスの哲学、さらには文学作品を手引きに、身をもって考えています。

ゼミ紹介

 こんにちは。ゼミでは、卒業論文の作成に向けて、難解な哲学書を身をもって読み解く訓練を積みます。辞書を片手に本を読むだけでなく、立ちどまってみたり、散歩してみたり、眼を閉じてみたり、何もしないことをしてみたり。古今の哲学者が眼差した世界を追体験する中で、腹の底から口をついて出てくる言葉を実感し、本当に大切な物事が何なのかを問うてみます。一緒に人生のよき教師となる本や言葉を探してみませんか。

主な担当授業科目

 哲学科演習/公共哲学/ドイツ哲学文献を読む

所属学会

日本ショーペンハウアー協会/比較思想学会/宗教哲学会

経歴・活動歴

2017年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。2020年より大谷大学任期制助教、その後、ラーニングスクエア主任アドバイザーを経て、現職。

主要著書・論文

単著

  •  『佇む傍観者の哲学 ショーペンハウアー救済論における無関心の研究』(晃洋書房、2022年)
  • 『挨拶の哲学』(春風社、2024年)

分担執筆

  •  「ショーペンハウアー」『ドイツ哲学入門』(ミネルヴァ書房、2024年)

論文

  • 「人間はエゴイズムを克服できるか?–ショーペンハウアー救済論における無関心の問題」
  • 「佇む傍観者:夏目漱石『草枕』における非人情についての試論」