研究内容

アフリカはベナンという国で人類学的調査を始め、地域社会のミクロな視点から現代西アフリカのマクロな政治、経済変動をみすえる研究へと広げてきました。親族にもとづく社会構造と文化要素である在来信仰ブードゥの関連を調べながら、そこにおけるモノ=物質の位置づけに焦点をあてました。それは、いま社会科学で議論をよんでいるモダニティ、グロバリゼーション、市民社会、デモクラシーといった諸概念とも深く関わっており、私の調査地での具体的な事例にてらしてこれらの現象を再検討しています。

ゼミ紹介

まず社会学、人類学分野の知識を身につけ、理解を深めることを目標とする。この分野は自らの体験、仲間との対話のなかで身につけてゆくものです。だから本ゼミは、第一に皆さんと教員との対話やみなさん同士の対話のなかで展開してゆきます。そして第二に自分に身近なところや、自分が興味をもつ分野から、「他者」の話に耳を傾ける体験をします。ゼミナールで取り上げるテーマはさまざまであってよい。教員は出来る限り多様な関心に対応したい。

主な担当授業科目

文化人類学/社会学・文化人類学演習/社会学特殊演習/現代社会論/現代社会とコミュニケーション

所属学会

日本文化人類学会/日本アフリカ学会/日本民俗学会/International Union of Anthropological and Ethnological Sciences

経歴・活動歴

経歴

2002年 一橋大学大学院社会学研究科 博士学位(社会学)取得修了  
2003年 国士舘大学政経学部非常勤講師
2005年 高千穂大学教養部助教授 
2007年 高千穂大学人間科学部准教授
を経て
2017年 大谷大学文学部社会学科准教授
 

活動歴

海上自衛隊幹部学校指揮幕僚課程講師(比較文化論 担当)
国際協力機構(JICA)国際協力総合研修所 講師(任国事情講義 担当)

主要著書・論文

単著

  •  「神をつくる-ベナン南西部におけるフェティッシュ・人・近代の民族誌」 世界思想社(2009年9月)

共著

  •  「新版 文化人類学のレッスン-フィールドからの出発」 学陽書房 (2017年2月)

論文

  •  「Vodun in democratization : A brief review of the entanglement of religion and politics in modern Benin, West Africa」國士舘教養論集57号(2005年3月) 
  • 「地域社会における祭祀の持続と変化をめぐる一考察-トカラ列島の事例から」日本民俗学 214号(2005年5月)
  • 「Medias,Elections and Democracy : A comparative study of presidential elections in modern Benin」高千穂論叢47-2号(2012年9月)
  • 「メディアをめぐる公共圏の検討—ベナンの視聴者参加番組の事例をとおして」 国立民族学博物館研究報告 40(1) (2015年3月)
  • 「番組で不満を叫ぶ—アフリカのラジオリスナーがつくるもう一つのデモクラシー」 SYNODOS: Accademic Journalism (SYNODOS Inc.) (2015年11月)