研究内容

国民国家やエスニシティに関する理論社会学的研究を行ってきましたが、近年はそうした研究領域を含めて、ポストモダン思想や文化研究等の理論的成果を幅広く取り入れながら、現代の社会と文化について考究しています。
社会学という学問領域は近代という時代に要請され誕生した学問ですが、激動する現代世界ではモダニティ自体の自明性が根底から揺れ動くとともに、社会学というディシプリンも岐路に立たされているように思われます。わたし自身はこうした問題関心を背景にしながら、現代の管理社会化やグローバル化における社会と個人の関係をあらためて検討することを大きな研究テーマにしています。

ゼミ紹介

現代社会や現代文化に関する幅広いテーマを取り上げながら、ゼミでの学習を進めていきます。前期はおもに社会学関連の文献を輪読し、ゼミ生が互いの理解や解釈を突き合わせながらテキスト読解を深め、基礎学力を向上させる作業を行います。後期は、前期の成果を活かしながら、各自が具体的な研究テーマや題材を取り上げて、自由に研究報告をしてもらいます。報告担当者には、自分の興味関心が出席者たちにも深く共有・共感できるような魅力的な報告を期待しています。ゼミでの時間がひとを触発できる議論の場になることを心がけたいと思っています。

主な担当授業科目

【院】社会学特殊研究(文献研究)/社会学演習/現代文化論/社会学文献講読(現代文化)/ソーシャル・ドキュメント分析

所属学会

日本社会学会/関西社会学会

経歴・活動歴

1970年神戸市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学大学院21世紀COEプログラム研究員、四国学院大学社会学部准教授、大谷大学文学部准教授等を経て、現在同大学社会学部教授。

主要著書・論文

共著

  • 『全訂新版 現代文化を学ぶ人のために』(世界思想社)
  • 『文化社会学入門—テーマとツール』(ミネルヴァ書房)
  • 『社会学事典』(丸善)
  • 『「からだ」の社会学—身体論から肉体論へ』(世界思想社)
  • 『社会学ベーシックス7 ポピュラー文化』(世界思想社)
  • Humaniora Kiotoensia: On the Centenary of Kyoto Humanities(Kyoto University)
  • 『近代化與殖民—日治臺灣社會史研究文集』(國立臺灣大學出版中心)

論文

  • 「〈社会的なもの〉と〈個人的なもの〉における非決定性の関係論—規律社会から管理社会への移行をめぐって」(『哲学研究』第571号、京都哲学会)