研究内容

おもに19世紀から20世紀前半にかけて構築された仏教理解のなかには、近代西洋的な考え方の影響を受けているものが少なくありません。そうした理解の多くが、まだ十分に問い直されることのないまま残されています。目下のところは「ブッダ観」を中心に、かつての定説を問い直すことを主要なテーマとしています。

ゼミ紹介

「現代と仏教コース」のゼミを担当しています。現代社会における様々な問題について、仏教の視点から考察を試みるのがこのコースの狙いですが、そこでは、まず仏教に関する基本的な知識や理解を身につけたうえで、日頃から現代社会の諸問題にも関心をもって考察し、そのうえで両者の接点を探りながらさらに考えを深めていくという難しいプロセスが求められます。そこでこのゼミでは、初期仏教や大乗仏教の基本的な考え方を学びながら、そこから現代のどのような問題に対して、何を言い得るのかについて、ディスカッションやグループワークを通して皆で考えていきます。出席者の自発的・内在的な問題関心が求められます。

主な担当授業科目

仏教学特殊講義/仏教学演習/現代仏教論/仏教学概論

所属学会

日本印度學佛敎學会/日本宗教学会 他

経歴・活動歴

2004年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。2008年博士(文学)。

主要著書・論文

共著

  •  "Some Reflections on Oriental Studies."In *Towards Metanoia: Essays Presented to A.K. Saran on his Eightieth Birthday*(Coomaraswamy Center、2002年)
  • 「大乗の仏の淵源」シリーズ大乗仏教第5巻『仏と浄土—大乗仏典II』(春秋社、2013年)

論文

  • 「パーリおよび有部文献における『法身』の語義について」
  • 「心理学と擬似スピリチュアリティ—伝統学派による批判的考察を手がかりとして」
  • 「仏教における輪廻説の再検討—パーリ文献によりながら」