研究内容

宇和島市津島町に保存されている17世紀の初頭に書写され、江戸時代中期頃に日本に伝来したと考えられているインド東部・オディシャー(旧:オリッサ)州の言語で書かれた『マハーバーラタ』の貝葉写本(椰子の葉に書写された写本)の校訂テキスト作成が現在進行中の研究の主要課題である。この写本の内容に反映されている当時のインド社会の研究を進めたい。また、今まで女性と仏教について研究をして来たが、その成果を生かしながら、今後幅広く女性と宗教、とりわけヒンドゥー教の研究、インドの舞台芸術にみられる宗教観、女性踊り手の研究などに専念したい。

ゼミ紹介

このゼミでは、多文化、多民族、多宗教、多言語という複合性を有するインド文化の様々な側面を学びます。現代アジアコースの一つとして現代インドの諸相を学ぶことを中心としますが、現代の問題/状況の原点を探るために古代インドのことを学ぶことも必要に応じて指導します。映像、動画、実物、実演などによって、インド文化をよりリアルに体験させます。さらに、異文化を具体的に理解するためにインドへ行き学生が自ら現地調査等をできるようにサポートします。
「学生主体」のゼミにしていますので、ゼミで勉強する内容は受講生に決めてもらいます。インドに関して受講生が「あ~面白い!」と思う分野を中心にして授業を進めます。

主な担当授業科目

仏教学演習/世界の宗教と文化/ヒンディー語/パーリ語 など

所属学会

日本印度学仏教学会/Sakyadhita: the International Association of Buddhist Women/パーリ学仏教文化学会/日本南アジア学会/South and Southeast Asian Association for the Study of Culture and Religion (SSEASR)
 

経歴・活動歴

インド東部のオディシャー(旧:オリッサ)州出身。サンバルプル大学文学部(教育学専攻)卒業。デリー大学大学院文学研究科(仏教学専攻)修士課程及びM. Phil課程を修了後、日本の文部省奨学金を獲得し、日本政府の国費留学生として大阪外国語大学及び大谷大学で学び、2004年に大谷大学大学院文学研究科(仏教学専攻)において博士(文学)を授与。その後、女性仏教文化史研究センター研究員、日本学術振興会特別研究員、大谷大学真宗総合研究所特別研究員として研究を行ない、現在大谷大学及び同志社大学で教える。

主要著書・論文

 
著書 『Mahāpajāpatī: the First Bhikkhunī』(Blue Lotus Books, Seoul, Korea, 2008年)
同著書の和訳:福田琢訳『マハーパジャーパティー—最初の比丘尼—』(法蔵館、2015年)
論文 「仏典における女性差別の解釈をめぐって—女人出家の問題から—」
「インド・オリッサ州の貝葉写本の特徴について」
“Palm Leaf Manuscript of Mahābhārata in Oriya Discovered in Japan”
“Translating the Dharma and Gender Discrimination: the Blame should be on Us”
“A Preliminary Study on the Sarasvatī-Rahasya-Upaniṣad”
“Ritual Worship of Goddess Sarasvatī in Tamil Nadu: Documentation of the Procedure and the Oral Text used”(共著)
「ラグ・ヴィラ(Raghu Vira)博士の中国旅行記(試訳1)」(共著)
「インド東部・オディシャ—州における弁才天の供養方法—梵文使用経典に基づいて」(共著)
「インド東部・オリッサ州の仏教徒コミュニティについて —ヒンドゥーとの関わりを中心として」

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