研究内容

1932~1945年に中国東北部に存在していた「満洲国」に発生した文学は中国では東北淪陥期文学といいます。中国人文芸団体を中心とする文芸活動を追いながら、被占領下に置かれた中国人作家の心象風景、文学の有様を明らかにしています。また、近年は“満鉄図書館”の館報を中心に日本人文人たちの活躍を研究したり、満州国国軍の実態にも着目しています。なお、中国の他に、東アジア地域の華人社会を視野に入れて、アジアの中の中国、華人社会にも目を向けています。

ゼミ紹介

国際文化演習 テーマ:現代中国の文化を理解する 

現代アジアコースで中国ゼミを担当しています。本演習は現代中国を中心に、さまざまな文化事象を通じて、現代中国の姿を的確に捉えることを目標とします。独自の視点で物事を分析できるようにしっかり学習してもらいます。また広く中国語圏の国や地域の諸問題に触れていこうと思います。学生たちの関心事を取り入れ、要望に応える工夫をしています。

国際文化特殊研究Ⅲ(演習)

  1. 中国文化の面白さを探りながら、その神髄を発見します。
  2. この授業は合同ゼミと個人指導という二本柱によるものです。合同ゼミでは、学生はそれぞれの研究テーマで発表し、複数教員の指導を受けながら、受講生同士で、意見交換したり、討論したりします。なお、個人指導では、修士一年生の場合は、修士論文の内容に直結する文献の講読、先行研究の調査、検討を行います。修士二年生の場合は、一年生の成果を踏まえたうえで、資料収集や個別問題を検証しながら、修士論文の完成をめざします。
 

主な担当授業科目

【院】国際文化特殊研究(演習)/国際文化演習/中国語会話(上級)/国際文化概論

所属学会

東方学会/植民地文化学会/日本社会文学会

経歴・活動歴

経歴

北京生まれ。首都師範大学卒。立命館大学文学研究科博士後期課程単位取得退学。文学修士。1993年大谷大学文学部着任。

主要著書・論文

単著

  • 『若い世代の中国語』(晃洋書房、1992年) 

共著

  • 『日中両国の視点から語る植民地期満洲の宗教』(柏書房、2007年)
  • 『楽しい中国語会話-初級-』(晃洋書房、2006年) 
  • 『楽しい中国語-中級・改訂版-』(晃洋書房、2006年) 
  • 『身につく話せる中国語—京子とスニの留学生活』 (同学社、2023年)

共訳

  • 『「文革」を生きた一知識人の回想』(ウェッジ、2010年) 

論文

  • 「『新京図書館月報』からみる日中文人の心象風景」
  • 「『轍印深深』—ある満洲国軍官の日記に現れた恋文」
  • 「雑誌『麒麟』に見る女性作家群像」
  • 「『同心結』と『雁南飛』にみる疑遅文学の特色」
  • 「「満洲国」軍旅作家・楊慈燈ー短篇小説の原風景」他多数