研究内容

現存する膨大な仏教文献には現代の諸問題を解決するための手掛りや解答が用意されています。インドの古典を現代人の共有財産にするという観点から以下の研究をおこなっています。

  1. ヨーガ(瞑想)や梵我一如の直接体験など解脱の手段をめぐるインド哲学諸学派間の論争史の研究。
  2. インド最大の哲学者と言われているシャンカラの諸著作やシャンカラ派の重要な文献である『ヴィヴェーカ・チューダーマニ』(識別の宝冠)の解読研究。

ゼミ紹介

演習の授業では、ブッダの金口直説である『スッタニパータ』(経集)を講読しています。テキストを深く読み込み、その意味内容を追求し、ブッダの言葉の真意を探ります。2500年前のブッダの言葉を現代に生かすことが、仏教を学問的に研究する目的です。
さらに、各自の卒業論文のテーマで学生が発表することにより、日本語表現能力の向上を目指すことも演習の授業の目的です。

主な担当授業科目

【院】仏教学特殊研究(演習)/【院】インド学研究/仏教学概論/仏教学演習

所属学会

バンダルカル東洋学研究所/ハーヴァード仏教フォーラム/日本印度学仏教学会/ジャイナ教研究会/日本仏教学会

経歴・活動歴

学歴

1984年大谷大学文学部卒業、1986年大谷大学大学院文学研究科修士課程修了(文学修士)、1992年インド・マハラシュトラ州立プーナ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)、1993年大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。

職歴

1999年大谷大学文学部専任講師、2004年大谷大学文学部助教授、2007年ハーヴァード大学客員研究員、2007年大谷大学文学部准教授、2012年大谷大学文学部教授、現在に至る。

主要著書・論文

著書

  • 「ブッダとナーガールジュナの中道思想」(『仏教学セミナー』第111号、2020年)
  • 「ヨーガ行法における正しい行為(satkāra)について」(『仏教学セミナー』第103号、2016年)
  • 『インド新論理学の解脱論』(法蔵館、2015年)
  • 「ガンゲーシャの知行併合論批判」(『奥田聖應先生頌寿記念インド学仏教論集』、佼成出版社、2014年)
  • 「ガンゲーシャの苦滅論」(『仏教学セミナー』第94号、2011年)
  • 「ウダヤナの解脱論」(『仏教学セミナー』第91号、2010年)