研究内容

  1. 柳田國男の学問や思想を教育学の立場からとらえ直すこと。柳田は官が軽視した生活文化・郷土史・生活語としての方言に注目し、近代学校登場以前の日本人の教育のありようや学校出現後に衰退したものの解明を試みています。この視点から民間に伝承されてきた教育慣行にも目配りしながら現代の学校教育をめぐる問題を考えてみたいと思っています。
  2. 近代日本の家政学の形成を女子教育史と関わらせて検討すること。特に留学経験のある大江スミや井上秀に注目し、彼女たちの主体形成と彼女たちの家政学・女子教育論との関連性にも目を向けて、家政学という学問が女子教育に及ぼした影響や意味を考えてみたいと思います。

ゼミ紹介

ゼミでは、学校や子どもの歴史を手がかりに教育を考えることをめざしています。最近の教育問題もその原因や背景を考えるときには、歴史的なアプローチが不可欠です。なぜこのような問題が起こったのか、何が関係しているのか、を歴史的に考え、さらに、今後、私たちはどうすればいいのか、何が出来るのか、を考える材料を得たいと思います。

主な担当授業科目

【院】教育学総論/教育・心理学演習/こども教育史/実践体験活動演習(小)/小学校教育学演習

所属学会

日本教育学会/教育史学会/関西教育学会/日本思想史学会

経歴・活動歴

1989年奈良女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻単位取得退学、1989年大谷大学特別研修員、1991年大谷大学短期大学部専任講師、2002年大谷大学文学部助教授、2008年大谷大学文学部教授。

主要著書・論文

著書

  • 『柳田國男における「学問」の展開と教育観の深化』
  • 『柳田國男の教育構想』

論文

  • 「大江スミにおける家政教育論の形成と展開」
  • 「近代日本における女子教育の形成と「日本的家政学」」