2010年度展示

2010年度秋季企画展
「写して伝える-文字と形-」
【2010/09/07~2010/09/25】

会  期
2010年9月7日(火)~2010年9月25日(土)

休 館 日
日・月曜

開館時間
10:00~17:00(入館は16:30まで)

観 覧 料
一般・大学生 200円 小・中・高校生 100円
本学学生・同窓生・教職員は無料

備  考
本館には駐車場がありませんので、ご来館に際しましては公共交通機関をご利用ください。

同時開催/大谷大学博物館学課程実習生展

A班:親鸞の教え
B班:江戸時代初期の古典受容の拡大
展示期間中、毎日13:30から解説ツアーを開催中です!

「写して伝える-文字とかたち-」開催にあたって/大谷大学博物館

インドでおこった仏教はさまざまな形で伝わりました。文字で教えを説いた仏典は、書写され、ついで印刷されて流布しましたが、石や金属にも刻まれました。一方、文字の教えをよりわかりやすく多くの人に伝えるため、彫刻や絵画などの造形として表現することも盛んにおこなわれました。本展覧会では、そのような仏教の教えがさまざまな形で伝えられたようすを、文字と造形の二つの視点で紹介します。

文字のコーナーでは、写経、版経、石刻経の拓本などを紹介しています。中国のものでは、隋代に事業がはじまった房山石刻のうち則天武后時代の房山金剛経碑の拓本や、宋代にはじまる印刷大蔵経のうち東禅寺版・開元寺版・思渓版、北京で印刷されたチベット語大蔵経などを展示しました。またタイ王室寄贈のパーリ語貝葉写本は、紙に墨書きされる以前の、貝多羅に鉄筆で傷をつけ墨を流し込んだもので興味深いものといえます。日本のものでは、世界最古の印刷物ともされる百万塔陀羅尼をはじめ、奈良時代の代表的な一切経で、聖武天皇の皇后光明子の発願になる一切経(五月一日経)、平安時代末期の法隆寺一切経・松尾社一切経、また装飾経として著名な神護寺一切経を紹介し、日本で開版された印刷大蔵経である天海版も展示しました。

造形のコーナーでは、壁画の模写画や祖師画像などを紹介しています。世界遺産となったインドのアジャンタ壁画や中国の莫高窟壁画の模写画や、インド・中国・日本の三国の祖師たちを白描画であらわした、平安時代末期の三国祖師影、また尊像を集成した図像集、などを展示しました。

また、大谷大学博物館学課程実習生による実習生展も同時に開催します。これまでの学習の成果を踏まえ、本展覧会にかかわって、それぞれ異なる視点で企画した「親鸞の教え」「江戸時代初期の古典受容の拡大」の二つの展示をおこないます。