2020年度文芸奨励賞 受賞作品/テーマ「世界を変えることはできるか。」
挨拶/大谷大学教育後援会会長 井上 正
大谷大学教育後援会文芸奨励賞は、学生支援事業の一環として本学の在学生を対象に文芸作品を募集し「言葉による表現意欲を奨励すること」を目的に、2006年度に創設された賞です。今年度のテーマは「世界を変えることはできるか。」。このテーマのもと150編の応募がありました。
新型コロナウイルス感染症の影響によって行動自粛が求められ続けてきた中で、その影響を感ずる作品が多くあったように思います。自粛生活の中で一人ひとりの中にあるいのちの欲求が表現されてきたのだと感じました。
「自分が変われば、世界が変わる」というフレーズが多く使用されていて、この言葉に共感を覚える学生さんが多くおられることがうかがわれました。そこから他者とのかかわりを見直し、その中で見出されてきた自分のカベを表現された作品が多かったように思います。
歴史、社会、自然、人間関係等々、複雑な関係にある世界を私自身も考えさせられた機会となりました。
今後も新たな世界との出会いが展かれることを念じています。
講評/大谷大学学生部長 山田 恵文
今年度の文芸奨励賞のテーマは、「世界を変えることはできるか。」でした。これは、来年度から大谷大学に国際学部が設置されることを受けて、設定されたテーマです。
応募総数は150件でした。メールでの受付を初めて実施したり、例年より応募期間を長めに設定したりと工夫を行いましたが、昨年度より減少しました。やはり、新型コロナウイルス感染拡大により、前期、学内に入構できない期間が長く続いたり、慣れない授業形態が続いたりしたことなどが影響したと思われます。
そのような困難な状況の中、応募された作品には、コロナ禍の中、思うようにならない日常を題材にしたものが複数見られました。その中でも、優秀賞を受賞した作品は、後期、教職員と学生とが一体になって感染防止策を図りながら、対面授業を実施している本学にとって、心から良かったと思うことができるものでした。
また、最優秀賞は、選考委員一同、一致した選考となりました。この作品を見て、本学が他者の多様な価値観に触れて、自分の世界が変わるような刺激に満ちたキャンパスであるようにと願わずにはいられません。
これからも学生諸君の豊かな感性に満ちた作品に出会えることを期待しています。
最優秀賞
鷲尾 諒【文学部 仏教学科 第4学年】
私の嫌いなこの世界を 君は好きと言った。 こんなにも違う。 君の世界に出遇って私の 世界は変わり続けてく。 |
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優秀賞
西村 沙羅【修士課程 真宗学専攻 第1学年】
みぎとひだりで 長さを奪い合う パーカーの紐。 ひっこ抜いたら みぎもひだりもない ただ一本の紐だった。 |
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徳山 佳哉【社会学部 コミュニティデザイン学科 第1学年】
大学生。 一人暮らし。 孤独、家事、慣れないオンライン授業。 後期、友達が増えた。 世界が変わった気がした。 |
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佳作
鮫島 想太【修士課程 真宗学専攻 第2学年】
風が吹けば桶屋が儲かる。 「おはよう」 「ありがとう」 一言でも世界は変わる。 いや、一言で世界は変わる。 |
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高木 宏明【文学部 哲学科 第4学年】
おれが変わらないのに、世界が変わるのか。 |
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河本 丸匠【文学部 人文情報学科 第4学年】
雫で世界は染まらない でも 雫で波紋がおきたなら 届いた誰かも波紋を広げて 世界を飾る模様になれる |
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小谷 悠太【文学部 人文情報学科 第4学年】
世界を変えるには 世界が変わるには それが分かった時 あなたはすでに変われた後 |
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村中 誠【文学部 真宗学科 第3学年】
私の世界 あなたの世界 どちらを変える? もしくは? |
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山奥 大輝【社会学部 コミュニティデザイン学科 第3学年】
変えようとしなくていい。 自分に出来る事をすればいい。 周りと比べる必要はない。 精一杯、 それが大切だ。 |
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山﨑 しげの【社会学部 コミュニティデザイン学科 第3学年】
無知で放たれた言葉はナイフとなり 優しさ溢れる言葉はツボミとなる 人を想う言動で世界に花を咲かせよう |
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東地 琴音【文学部 文学科 第2学年】
国じゃなく、「君」を見たい 宗教じゃなく、「私」を見てほしい 君の世界を知りたい 私の世界を知ってほしい |
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川島 仁実【教育学部 教育学科 第2学年】
世界観の交わりを感じ 自分の世界を疑え その違和感こそ 世界を変えるチャンスだから |
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腰岡 郁乃【文学部 国際文化学科 第1学年】
大小に関わらず、今の私たちの我慢は 今後の世界への投資であり、未来の世界を変える 原動力となる。 |
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黒田 崇寛【社会学部 現代社会学科 第1学年】
自己の価値観 おしつけず 自分の中で 吟味する それが変化の第一歩 |
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小西 櫻【社会学部 現代社会学科 第1学年】
レジでの「袋はいらないです」 その一言が自然破壊を止める。 一人一人の行動が世界を変える 第一歩となる。 |
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今泉 光香子【教育学部 教育学科 第1学年】
昨日怠けたこと、今日ちゃんとやってみないかい? 今日出来なかったこと、 明日また 挑戦してみないかい? |
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