海外研修プログラム報告

2010文化研修【インドの宗教と文化(インド仏教遺跡研修第2班)】

概要

日程 2010年8月31日(火)~9月14日(火) 【15日間】
参加数 21名(引率4名)
主な研修地 ●仏跡関連
サヘート(祇園精舎)、ルンビニー、クシナガラ、ヴァイシャーリー、ラージギル(王舎城)、ブッダガヤ、サールナート(鹿野苑)

●その他
アグラ(タージマハル)、ベナレス(ガンジス河)

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研修報告

インド仏教遺跡研修は、集中講義「インドの宗教と文化」の一環で、8回の事前講義をふまえ、仏教関係の遺跡を訪れると共に、インドの宗教や文化を現地で体験することが目的の研修です。15日間という行程の中で仏教聖地の大半を訪れるということはスケジュール的にも大変ですが、仏教系大学である本学の学びの実地体験ともいえる本研修には毎回多数の学生が参加します。

インド到着が夜だったため、デリーのホテルに一泊した後、2日目から実質的な研修が始まりました。まずは市内のインド門、国立博物館、ガンジー記念館を訪れ、本格的なインド料理も初めてこの日に味わいました。そしてデリーの余韻も冷めないまま、夕方から夜行列車で次の目的地に向かいます。しかし鉄道事情のため目的地への到着が7時間半も遅れ、17時間以上列車の中で過ごすというトラブルに見舞われました。この遅延によって行程にも影響が出ましたが、その後、釈尊が最も多く留まって説法をされたとされる、今では緑の美しい祇園精舎を訪れることができました。

デリーのインド門                                             タージマハルにて

引き続きバスでネパールへ向かいます。その日は小雨でしたが、バスから降りて徒歩でインド国境を越える参加者もいました。ネパールでは釈尊ご誕生の地・ルンビニーを訪れた後、再びインドに戻り、仏教関係遺跡を中心にインド北部の移動が続きます。釈尊ご入滅の地であるクシナガラ、釈尊が度々訪れ説法をされたヴァイシャーリー、お弟子達とご生涯の大半を過ごされた王舎城では竹林精舎を訪れ、釈尊が無量寿経や法華経を説かれたとされる霊鷲山にも、皆で汗だくになりながら登りました。また行程にはありませんでしたが、釈尊が悟りをひらく前に苦行をされたという前正覚山にも登ることができました。そして釈尊がお悟りを開かれた地・ブッダガヤ、初めて説法をされた地・鹿野苑なども訪れました。それぞれの仏教遺跡で、勤行後に行う学生たちの感話は、現地での皆の昂る意識が伝わってくるようでそれぞれ感慨深いものがありました。
遺跡訪問以外にも、ベナレスでは女性参加者が美しい色とりどりのサリーを試着し、ヒンドゥー教の聖なる河ガンジスでは、未明から舟に乗り日の出を望んだ後、希望者は実際に河に入って沐浴体験もしました。アグラでは、インドイスラームの代表建築タージマハルの威容に、全員から思わず感嘆の声が漏れました。

授業や書籍で得た知識を現地で実際に目の当たりにするという体験、そして思ってもなかった異文化との出会いなど、終わってみれば、参加した学生にとって末長く心に残るあっという間の15日間であったと思います。参加者各人の自覚のあるなしに関わらず、この研修は彼らに非常に大きな成長をもたらしたことと信じます。
【重松康希(教育研究支援部 図書・博物館課)】