海外研修プログラム報告

2010文化研修【ヨーロッパの宗教と文化(ドイツ)】

概要

日程 8月23日(月)~9月4日(土)【13日間】
参加数 26名(引率2名)
主な研修地 ●ドイツ
ハイデルベルク、ヴュルツブルク、カルフ、テュービンゲン
ローテンブルク、ニュルンベルク、ミュンヘン

●オーストリア
ザルツブルク、ハルシュタット、バート・イシュル

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研修報告

今年度は、南ドイツとオーストリア西部を中心に研修をおこないました。まずは事前学習として、本学の教員による講義と学生諸君のプレゼンテーションをおこないました。研修地に関する情報を収集し、それをもとにレジュメを作成したプレゼンテーションでは、たいへん充実した報告をする学生が多く見られました。このような作業をとおして、学生諸君は研修の動機をいっそう高めることができたように思われます。

現地研修では、前半はドイツを中心とし、ハイデルベルクやテュービンゲンといった大学町を訪れました。これらの町で、学生諸君は、日本とは異なる大学の雰囲気を肌で感じたようです。これらの町を移動する間、20世紀のドイツを代表する作家ヘルマン・ヘッセの生地カルフではヘッセ博物館を見学し、この作家の軌跡を貴重な資料をとおしてたどりました。そして、孤高の名城ホーエンツォレルン城とシンデレラ城のモデルとして広く知られているノイシュヴァンシュタイン城といった対照的な建造物を訪れる機会にも恵まれました。さらに、世界一の尖塔をもつウルムの大聖堂では、学生諸君は数100段の螺旋階段を登りきり、教会にこめられた人びとの思いをよりいっそう感じました。

それに続いて、研修の場をオーストリアに移し、モーツァルトの生地であり、世界遺産でもある町ザルツブルク、そして、その文化的な景観のゆえに世界遺産にも登録されているハルシュタットを訪れました。ここで学生諸君は、ロープウェイを利用して壮大な景色を楽しみ、塩鉱を見学しました。

     カルフにて                                                     ホーエンツォエルン城

後半はふたたびドイツでの研修となりました。ミュンヘンのアルテ・ピナコテークでは、時間に追われることなく名画をゆっくりと鑑賞することに喜びを見いだし、4時間ほどかけて見学した学生もいました。中世の街並がほぼそのままのかたちで残るローテンブルクでは、城壁を周遊することにより、教会を中心として放射状に広がるドイツの町の構造を実感することができました。また、ヴュルツブルクでは、ヨーロッパ屈指の宮殿であり、世界遺産でもあるレジデンツを見学し、その広大な天井のフレスコ画に目をみはりました。

今年のドイツの気候は不順で、前半こそ晴天にめぐまれましたが、後半は残念ながら雨が多くなり最高気温も20度を下回る日々が続きました。それにもかかわらず、全員が無事に帰国することができました。今回は、ひとつの町にできるだけ長時間滞在できるようプログラムを組んだこともあり、最低限の見所を押さえつつも、学生諸君の関心に応じた有意義な研修旅行となりました。
【廣川智貴(ドイツ文学)】