2010文化研修【中国の宗教と文化(中国仏教遺跡研修)】
概要
日程 | 2010年8月17日(火)~28日(土)【12日間】 |
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参加数 | 8名(引率者2名) |
主な研修地 | 大同(雲崗石窟・応県木塔・懸空寺) 五台山(菩薩頂・顕通寺・竹林寺他) 太原(玄中寺) 平遙(平遙古城) 洛陽(龍門石窟) 西安(香積寺・草堂寺・興教寺・大慈恩寺・兵馬俑坑博物館他) 酒泉(酒泉公園・嘉峪関) 敦煌(敦煌石窟・鳴沙山・敦煌博物館) 北京(八達嶺長城・天安門・故宮) |
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研修報告
中国仏教遺跡研修は、日本仏教に大きな影響を与えた中国の宗教と文化を学ぶことを目的として開講されています。本年度は、中国を代表する雲崗・龍門・敦煌の石窟をはじめ、法然・親鸞に大きな影響を与えた曇鸞・道綽・善導、経典の翻訳に大きな業績をのこした鳩摩羅什や玄奘、それぞれの人に関わりの深い寺院や旧跡、その他著名な世界遺産を主な研修地として開講されました。
他大学からの参加者を含む一行は、北京到着の後、大同に移動し雲崗石窟での研修を皮切りに日程を進めていきました。五台山では私たちが日頃知る機会の少ない現在の中国の人々の仏教信仰の実際に触れることができました。その後、太原へ移動し、研修日程前半の主たる目的である玄中寺を訪ね、平遙古城を見学の後、洛陽、西安へ移動していきました。
中国浄土教における祖師、曇鸞・道綽・善導三祖に関わりの深い玄中寺・香積寺では、参加者一同で勤行・感話を行った後、両寺の住職さんとの懇談の席をもつことができました。仏教を学ぶことをめぐって学生から熱心に質問がなされ、両寺の住職さんからたいへん意義深いお話をお聞きすることができました。なお玄中寺より大谷大学図書館に玄中寺で刊行された書籍を寄贈いただきました。ここにあらためてお礼申し上げます。
洛陽の龍門石窟、西安での仏教遺跡や兵馬俑坑博物館をはじめとする世界遺産での研修を終え後半の日程へ入っていきました。西安から酒泉まで寝台列車で移動し、万里の長城の西端となる嘉峪関長城を見学した後、砂嵐の中をバスで敦煌まで向かいました。窓外に広がる風景も、それまでのものとは一変し、それぞれ長時間にわたる行程ではありましたが非常に印象深いものでした。
今年度の研修では雲崗、龍門、敦煌の三石窟を訪ねました。それぞれの石窟は、その規模や、それを造営した人々の熱意、それらが持つ文化的意義など、さまざまなことを学ぶ機会となりましたが、その中でもとりわけ敦煌の鳴沙山・敦煌石窟(莫高窟)は参加者一同に強い印象を与えてくれたように思います。鮮やかな色彩を持つ壁画と、厳しい環境の中でそれを保全し維持する人たちの情熱に接することができたのは、何ものにも代え難い経験であったように思います。
12日間の研修によって得られた多くのことを通して、参加者一同、今後への決意を新たにしつつ無事に研修を終えることができました。中国仏教遺跡研修は、日頃の仏教の学びを深めるだけにとどまらず、日本では窺えない実際の中国に触れることを通してお互いの関わりを考えていく大切な機会となるものです。皆さん、ぜひご参加ください。
【三木彰円(真宗学)】