2020年度指定研究/東京分室指定研究
2020年度研究計画
研究名 | 宗教と社会の関係をめぐる総合的研究 |
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研究課題 | 社会的価値観における宗教の役割の解明 |
研究代表者 | 井黒 忍 |
研究組織 | <研究員> 井黒 忍(本学准教授・東洋史) 青柳 英司(PD研究員・真宗学) 大澤 絢子(PD研究員・宗教学・近代宗教文学) 鍾 宜錚(PD研究員・生命倫理学) 荻 翔一(PD研究員・社会学) |
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研究意義・目的
多様な価値観を内包する現代社会において、宗教のあり方が問われつつある。そうした中、社会において宗教が果たすべき役割やその可能性をより多角的な視点から見直すべきとの声も多い。そこで本研究は、宗教と社会との多種多様な関わり合いが見られる現代の東京という場において、専門性を異にする研究員たちが各自のディシプリンに基づく独自の視点から、社会における宗教の役割を問い直すことを目的とする。人類にとって根本的な問いであり続ける「どう生きるのか?」、「どう死ぬのか?」という問題を主軸とし、宗教というフィルターを通して、社会に存在する、もしくは存在した様々な価値観の構造を明らかにすることを目指す。 |
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研究計画・方法
各研究員の研究目的は以下の通りである。 青柳研究員は、親鸞の主著とされる『教行信証』の訓点に着目して、親鸞の言語表現の特徴と独自性とを明らかにする。これによって親鸞が当時の社会、特に仏教界に対して、自身の思想をどのような仕方で表明しようとしていたのかを探る。 大澤研究員は、近代日本(1868-1945)の枠組みで、文学・雑誌・映画も含む大衆文化のメディアにおける仏教の展開を考察する。これによって寺院や宗門外の一般社会における仏教受容の実態を解明し、近代日本文化史としての仏教のあり方を考察する。これと並行して、近代日本における女性と仏教に関する諸問題に着目し、社会における仏教の役割を教義と実践の両面から考察する。 鍾研究員は、「どう死ぬのか」という問題について、日本と台湾を中心に、それぞれの終末期医療の法制化の動きを調査し、終末期の意思決定に関する宗教者の取り組みを考察することで、人生の最終段階における宗教の役割を解明する。 井黒研究員は、研究全体のとりまとめを行うとともに、歴史学の立場からアジア乾燥域における水をめぐる社会秩序と宗教、国家と宗教との関係を考察する。 |
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