2018年度指定研究/清沢満之研究
2018年度研究計画
研究名 | 清沢満之研究 |
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研究課題 | 『清沢満之全集』別巻の編纂と思想研究 |
研究代表者 | 西本 祐攝 |
研究組織 | <研究員> 西本 祐攝(講師・真宗学) 一楽 真(教授・真宗学) 加来 雄之(教授・真宗学) 藤原 正寿(准教授・真宗学) 福島 栄寿(教授・歴史学) 大艸 啓(講師・歴史学) <嘱託研究員> 名畑 直日児(真宗大谷派教学研究所所員) 川口 淳(本学任期制助教) <研究補助員(RA)> 藤井 了興 (博士後期課程第1学年) |
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研究意義・目的
近年、進展を見せる清沢満之研究において大谷大学編『清沢満之全集』(全九巻、岩波書店、二〇〇二—三、以下『全集』と略)は清沢満之(以下、満之と略)の著述を踏まえる際のテキストとして必ず参照・引用されており、『全集』刊行は、その研究推進に大きく寄与していると言えよう。 二〇一四年度より活動を再開した研究所の清沢満之研究(本研究と略)は、清沢満之研究のさらなる充実を目指し、『全集』に収録されていない新出の清沢満之著述群を収録した『全集』別巻の刊行を一つの目的としている。本研究では『全集』刊行後、新たに清沢満之著述と認めることができる三七点の文献を収集している。それらについて、『全集』掲載基準を満たすか否かの精査を行った結果、三二文献(『全集』二巻分、文字数からの概算)が掲載基準を満たすことを確認している。 現在、昨年度末に収集した文献以外は一次校正(段落での改行ではなく、依拠本の行ごとの改行)まで終了している。これらの文献を『全集』別巻として刊行し、清沢満之研究の進展に寄与することが本研究の目的である。 |
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研究計画・方法
初年度は入稿原稿の作成。次年度は年度末までの刊行開始を目指す。 初年度は、出版社へ入稿する原稿の作成を行う。そのために現在収集済みの文献について、構成案(二巻の配分と目次)の作成、三次までの校正作業を必要とする。それらが終了後、読み合わせを行い、校訂、注作成等の実務作業を全文献にわたりおこなう必要がある。並行して全文献の解題の草案を作成し、各巻の解説執筆者の選定と依頼を行う必要がある。凡例は、『全集』のものを踏襲するが、各巻ごとの特記事項がある場合には、個別に作成する必要がある。また、月報を付すかを決定し、執筆依頼をする。また、大学と出版社で出版契約を結んでいただく必要がある。 二年目は、出版に向けた編集実務を行い、年度末までの刊行開始を目指す。各巻の本文確定、及び注決定の検討会議を逐次行い、解題も完成させる。さらにゲラによる校正を三次校正まで行うと共に、解説文の校閲等を行う。 実際の出版に向けた編集作業は研究員だけで行うのではなく、全学的な協力が必要であることは言うまでもない。『全集』刊行時の例にならうなら、全体の編集委員(国語表記、歴史、人権の観点の専門研究者を含む)、各巻に編集代表者1名、編集実務を担当する研究員1名、編集担当教員2名、補助員2名、すなわち各巻ごとに計6名の体制が望ましい。このほか、校正実務を行う研究補助者数名を必要とする。初年度からは難しいが、二年目以降の出版社との編集実務においては、最低でも上記の体制は必要である。 三年目、別巻の第二巻以降を刊行し、現在、収集済みの文献の刊行を終える。先の『全集』出版に際してもそうであったが、編集刊行作業中に新出文献の情報が寄せられることが考えられる。それらについて、別巻第二巻以降、継続して出版するか、改めての刊行とすべきかを検討することも視野に入れておかねばならない。いずれにしても十分な文献精査を踏まえる必要がある。 西方寺所蔵文献群には、満之の大学時代のノート類が未公開のまま残されている。これらの文献群の意義については、これまで再三研究班でも確認している。満之自身の著述ではないため『全集』掲載基準は満たさないが、これらの翻刻作業も継続して行う必要があろう。 |
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