真宗総合研究所概要

2021年度指定研究/清沢満之研究

2021年度研究計画

研究名 清沢満之研究
研究課題 清沢満之の生涯と思想の研究—西方寺所蔵文献の研究—
研究代表者 西本 祐攝
研究組織 <研究員>
西本 祐攝(准教授・真宗学)
一楽 真(教授・真宗学)
福島 栄寿(教授・近代日本仏教史・近代日本思想史)
西尾 浩二(講師・西洋哲学)

<嘱託研究員>
名畑 直日児(真宗大谷派教学研究所研究員)

<研究補助員(RA)>
山雄 優生(博士後期課程第1学年)

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研究意義・目的

 本研究は1991年度に発足し、1993年度に、当時、研究代表を務めていた安冨信哉によって本学編『清沢満之全集』の刊行が提言されて以降、清沢満之の生涯と思想の研究、及びそれに関する文献の調査収集を行ってきた。その成果として『清沢満之全集』(全九巻、岩波書店、2002~3年、以下『全集』と略)を刊行した。さらに『全集』に収録されていない新たな文献群を『清沢満之全集』(別巻Ⅰ・Ⅱ、岩波書店)として2019年度と2020年度に刊行した。
 『全集』刊行に際しては、従来の無我山房『清沢全集』(全三巻)、有光社『清沢満之全集』(全六巻)、法藏館『清沢満之全集』(全八巻)には掲載されていない99文献を、『全集』別巻刊行に際しては、34文献を新たに収録するに至った。『全集』および『全集』別巻には清沢満之自坊の西方寺に所蔵されている日記、思索録、書簡、刊行物掲載論文等を依拠本として多くの文献を収録した。これは、1998年度から、西方寺の全面的な協力をいただき、当時の研究員と研究補助員、補助者が蔵書整理、文献調査、調査カードの作成、文献目録作成等を行い、写真撮影、内容精査等を地道に行ってきたことによる。
 本研究では、西方寺所蔵清沢満之自筆文献(以下、西方寺所蔵文献と略)の影印(36枚撮りフィルム248本分、総コマ数8500枚超)を所蔵しているが、『全集』及び、『全集』別巻、その他で公開済の文献はその3分の1程である。これは主に『全集』が清沢満之自身の著述を収録し、清沢満之の受講ノートや書籍からの抜書、索引等は収録しないという方針で編纂されたことによる。
 未公開文献には、清沢満之の育英教校、帝国大学、真宗大学寮の頃から後年に至るまでの文献が含まれ、帝国大学時代については「真宗学」「仏教学」「歴史学」「哲学」「生物学」「儒学」「数学・化学」「心理学」等の受講ノートを確認できる。これらは「清沢満之の思想形成を探る資料としての価値」、関係教育機関で「どのような教育がなされたのかという近代日本教育史の資料」ともなるものである。本研究では、『全集』に掲載されていない西方寺所蔵文献の翻刻・校正を継続的に行っており、2016年度終了時には全文献の翻刻を済ませ、一次校正に進んでいる。2018年度~2020年度は『全集』別巻の刊行に専注したため、西方寺所蔵文献の校正を中断した。
 これらの未公開文献について研究を進めることは、清沢満之の生涯と思想の研究に大きく資するものである。執筆時期も分野も内容も多岐に及び、すべてを公開することは一朝一夕に実現可能なことではないが、貴重な清沢満之自筆文献の影印を預かる本研究が継続的になすべき研究であり、その内容精査とともに公開に向けた研究活動を継続していく。

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研究計画・方法

本研究は、清沢満之の生涯と思想の研究を進める上で、重要な意義を持つ西方寺所蔵文献についての研究を進める。
具体的には、次の2点を柱として研究活動を行っていく。
1、西方寺所蔵文献(未公開分)の研究
2、西方寺所蔵文献(未公開分)の公開に向けた研究
西方寺所蔵文献の未公開分は、分量にして36枚撮りフィルム167本分、総文字数3,703,420字である。その中には、清沢満之の生涯全般にわたる文献を確認することができるが、その全体については、未だ十分な精査ができているとは言い難い。その全てについて、分野、内容、執筆年代等の確認・整理・検討を行う必要があり、まずはその全貌について精査する研究を進める。その上で、公開に向けた方途を検討し、公開可能な文献は、順次、研究所の機関誌等で公開していくことを目標とする。これらの研究であきらかにした成果については、これまで同様に西方寺と情報共有を行っていく。
また、清沢満之の著述について、未収集文献を調査・収集する活動も継続していく。

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