真宗総合研究所概要

2021年度指定研究/東京分室指定研究

2021年度研究計画

研究名 東京分室指定研究
研究課題 宗教と社会の関係をめぐる総合的研究-社会的価値観における宗教の役割の解明-
研究代表者 井黒  忍
研究組織 <研究員>
井黒  忍(本学准教授・東洋史)
青柳 英司(PD研究員・真宗学)
鍾  宜錚(PD研究員・哲学・倫理学)
荻  翔一(PD研究員・宗教社会学)
陳  宣聿(PD研究員・宗教学)

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研究意義・目的

多様な価値観を内包する現代社会において、宗教のあり方が問われつつある。そうした中、社会において宗教が果たすべき役割やその可能性をより多角的な視点から見直すべきとの声も多い。そこで本研究は、宗教と社会との多種多様な関わり合いが見られる現代の東京という場において、専門性を異にする研究員たちが各自のディシプリンに基づく独自の視点から、社会における宗教の役割を問い直すことを目的とする。人類にとって根本的な問いであり続ける「どう生きるのか?」、「どう死ぬのか?」という問題を主軸とし、宗教というフィルターを通して、社会に存在する、もしくは存在した様々な価値観の構造を明らかにすることを目指す。

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研究計画・方法

 各研究員の研究目的は以下の通りである。
 青柳研究員は、親鸞の『教行信証』に見られる仏教用語を、当時の他の仏教者がどのように用いていたのかを調査・検討する。これによって親鸞が当時の時代・社会の中で、どのように問題を見据えて言葉を紡ごうとしていたのかを探る。
 荻研究員は、在日コリアンの人権獲得運動において日本の宗教組織・宗教者が担ってきた役割やその取り組みの特徴を明らかにし、現代日本の課題である「多文化共生」と宗教のかかわりを考察する。
 鍾研究員は、「どう死ぬのか」という問題について、日本と台湾を中心に、終末期医療の法制化の動きを調査し、終末期の意思決定に関する宗教者の取り組みを考察することで、人生の最終段階における宗教の役割を解明する。
 陳研究員は、日本と台湾におけるプロライフ運動と水子供養、子授けなどの儀礼への考察を通して、胎児観の変容における宗教の役割を究明する。これによって、公的と私的の二つの場面から議論を展開し、胎児観の立体的構築に繋がる。
 井黒研究員は、研究全体のとりまとめを行うとともに、中国の歴史的事例に基づき地域社会における紛争の調停に宗教および宗教者が果たした役割について考察する。

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