2025年度「大学報恩講並びに歴代講師謝徳法要」厳修
11月22日(土)午前10時より、本学講堂において大学報恩講並びに歴代講師謝徳法要を厳修しました。
宗祖親鸞聖人の御影、初代講師 慧空上人、第14代講師賢珠院得住及び第16代講師開華院法住の軸が掲げられた講堂で、教職員・学生が出仕し、学長の調声のもと、『正信偈(真四句目下)』を唱和して報恩講を厳修した後、引き続き歴代講師謝徳法要では『佛説阿彌陀経』の読経の中、来賓をはじめ、教職員並びに学生の代表者が焼香しました。その後、学長挨拶に続き、延塚 知道 氏(大谷大学名誉教授)による記念講演を拝聴いたしました。
「学長挨拶」及び「記念講演」を以下の通りご紹介します。
学長挨拶
一楽学長は、「報恩講は、真宗門徒にとっては一番大事な集いであり、親鸞聖人の命日を縁として、親鸞聖人の教えをいただくとともに、私達自身の一人一人の生き方、一回しかないこの自分の人生をどう尽くしていくかについて、確かめさせていただく日である。あわせて、今日は歴代講師の謝徳法要ということで、宗祖親鸞聖人の安城の御影、学寮の初代講師慧空上人のお軸、また、たくさんのご講師の中で年忌が近い第14代賢珠院得住講師及び第16代開華院法住講師のお軸を150回忌ということで掲げさせていただいている。大谷大学は、今年江戸時代の学寮創設から数えて360年になる。1901年に清沢先生によって真宗大学として東京の巣鴨でスタートに至るまで250年ほどの歴史があったということであり、江戸時代以来の歴史をまた確かめる日でもある」と述べました。
記念講演
「妻の死に教えられたことー『観経』の大切さー」
延塚先生は、今年3回忌を迎えるご令室が、白血病の再発で死を宣告されてから半年間の闘病生活を振返りながら、「最初2ヶ月半は元気で『何で私が白血病になるの』と叫んでいた。そして車椅子になり時々念仏するようになり『ごめんね』ばかり言っていた。最後1か月半は寝たきりで、白血病を受け止め、仏様のような顔で『ありがとう』と手を合わせて念仏していた」と述べられました。
そのうえで、「赤ちゃんの時はどんな人でも一切を引き受けて仏様の悟りの世界に生きていた。ところが4歳くらいで言葉によって自我が生まれ、全部私を中心に考えるようになる。自我の本性は比べることで、人と比べて勝ったとか負けたとか人間独特の苦しみが生まれて自我を生きるようになる。そして、妻の変化を通して、人間は命が終わる時にまた仏様の世界に帰っていくことを教えられた」と述べられました。
最後に、「親鸞聖人がいなかったら、私たち夫婦にこれほどの充実して濃縮した時間はなかった。その感謝を込めてお話しした」と締められました。
【総務課】

