研究内容

短歌は伝統的な小さな詩です。近代化の波にのまれ、消えてしまっても不思議ではありませんでした。「近代」という語と「短歌」という語は、簡単にくっついたりできないはずだったのです。ところが、近代における短歌は多様な工夫を試み続けることによって歌い継がれてきました。とくに石川啄木の歌は、「近代」と「短歌」をつなぐ鎹となったように思われます。私は啄木短歌を中心にこの小さな詩の言葉や表現に大きな広がりを捉えたいと研究を続けています。

ゼミ紹介

明治・大正期の文学作品を読んでいきます。読み進めていくなかで、作品への理解を深めるとともに、「読む」ことについても考えてほしいと思っています。これまでどのように読まれてきたかという「読み」の歴史を辿りながら作品に向き合うことで、「読む」という行為に自覚的になることができるでしょう。文学の表現や言葉は私たちの存在や世界、私たちの思考や認識の既成性を突き崩すものであり、「読む」ことを通して自分自身や日常、世界について捉え返すことができます。好きな作品を「読む」ことで、その作品を好きである自分を「読み」直し、新しい自分に気付くことができれば、他者についても見つめ直し続けることが可能になるかもしれません。それを積み重ねて世界に対し続けてほしいと思います。

主な担当授業科目

文学科演習/仏教文化特殊研究/文藝塾実践演習

所属学会

解釈学会/国際芥川龍之介学会/国際啄木学会/日本近代文学会/日本文学協会/日本文芸研究会/和歌文学会

経歴・活動歴

1968年大阪府生まれ。東北大学大学院文学研究科単位取得退学。
東京都立航空工業高等専門学校、東京都立産業技術高等専門学校、京都ノートルダム女子大学国際言語文化学部を経て、現職。

主要著書・論文

単著

  • 『啄木短歌論』(笠間書院)
  • 『コレクション日本歌人選035  石川啄木』(笠間書院)

論文

  • 「「一握の砂」と『立身策』と『美の宗教』」
  • 「石川啄木と張船山—『高秋』(『春潮』第七号)末尾の文章について—」
  • 「『墨をぬりつゝ秋風を聴く」考」
  • 「歌のひろがるとき—「スバつた歌」の行方—」
  • 「物語の挿絵の物語—『少年の日の思い出』考」
  • 「『話すこと・聞くこと』から『書くこと』『読むこと』へー井上ひさし『握手』考ー」