学術研究

2010年度指定研究/真宗同朋会運動研究

2010年度研究計画

研究名 真宗同朋会運動特別指定研究
研究課題 真宗同朋会運動の歴史と現状を「聞き書き」を通して把握し、
その現代的意義を明らかにする
研究代表者 水島 見一
研究組織 <研究員>
水島 見一(大谷大学文学部教授 真宗学・教育心理学)
佐賀枝 夏文(大谷大学文学部教授 社会福祉学)
冨岡 量秀(大谷大学短期大学部講師 真宗学・幼児教育学)

<研究補助員>
佐々木 秀英(大谷大学大学院博士後期課程第3学年)
安居 宏淳(大谷大学大学院博士後期課程第2学年)

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研究意義・目的

本研究は、真宗と社会との関わりを主題とし、具体的には真宗同朋会運動における求道と獲信に学ぶものである。同朋会運動は、本来、地域に根ざした草の根運動である。したがって、本研究は、一人ひとりにおける「群萌の目覚め」に視点を置き、特に、求道の道程に焦点をあてて、一人ひとりの宗教的人格に触れることを通して、真宗同朋会運動の意義を明らかにすることを目的とする。
また、信仰が生み出す社会性、および人々の精神性に与えた影響なども調査を通して把握し、真宗同朋会運動の現状や社会的・現代的意義を明らかにしていきたい。
以上のことから、本研究は全体を理論編と調査編の二部構成として組み立てていく。

●理論編
本研究の導入研究であり、同朋会の歴史と社会的背景、同朋会運動への教団の施策、同朋会運動の中心人物に関する資料を収集し、整理していく。2009年度は基本資料の整理と分析、また学外研究者による公開研究会を行い、多角的な同朋会運動への確かめを行った。2010年度も引き続き理論編の構築を進める。

●調査編
本研究の中心であり、門信徒の方々に「聞き書き」という調査手法を用いた調査を展開する。そのことを通して、宗教的人格を具体的に明らかにしていく。2009年度にも実施したが、2010年度も引き続き調査を行う。

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研究計画・方法

上記の研究目的を遂行するために、本年度も引き続き理論編と調査編において、以下のような活動を進めていく。

●理論編
1.年表の作成
 (1)真宗大谷派の視点から:宗報『真宗』の関係記事を精査し、整理していく。
 (2)通仏教の視点から :『文化時報』、『中外日報』の関係記事を精査し、整理していく。
2.同朋会運動と宗門内組織との関係構造の把握
 (1)真宗大谷派宗務所へヒアリング調査
 (2)宗報『真宗』の関係記事の精査
3.同朋会運動の運動史の整理
 (1)エピソード抽出(人物中心)
 (2)エピソード抽出(事象中心)

●調査編
2010年度は、2009年度の研究成果のテープ起こしを元にして、
1.聞き取りをした方々のエピソードを分析し、同朋会運動の展開における位置づけを把握する。
2.学外研究者の視点の整理と、それによる同朋会運動の点検。
3.「聞き書き」調査の分析。

以上のことから、さまざまな形で、学外講師を招き、御指導いただき、調査内容を深めていかなければならない。また、本研究は真宗大谷派宗門との深い連携関係の構築が必須となる。そのため宗門の教学研究所との協同し、研究を展開していく。

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2010年度研究成果【報告】

本研究は、真宗同朋会運動の歴史と現状を「聞き書き」を通して把握し、その現代的意義を明らかにすることを目的とするものである。今年度は、理論面では、真宗大谷派宗門内で同朋会運動に尽力しリードしてきた人物に焦点を当て基礎資料の作成に努めた。また、同朋会運動の社会的意義を明確化していくために、講師を招いて公開研究会を開催するとともに、前年度開催分の講録化を進めた。これらに加えて、真宗大谷派教学大会での研究発表、真宗大谷派研修部と共同での「親鸞キャンプ」開催、東京大学での「親鸞ルネッサンス」参加などの研究活動を展開した。