研究内容

 グローバル化する世界は、さまざまな分野で標準化の動きが進むとともに、衝突・交渉・戦略的な共存が生起する過程として現れています。これまで南アフリカとカンボジアを主なフィールドとして、紛争後の司法/正義・移民・知的所有権・グローバルスポーツにかかわる新たな公共性について考察してきました。異なる価値観が対置されるなかで集合的に創出されていく規範や秩序に着目しています。

ゼミ紹介

前期は社会学文献の読解、後期は各自の報告を軸に授業を行います。個人的な欲望や人々が信頼している価値観など、一見「リアル」に思えるものが、同時代の社会状況のなかで作られている事実は、普段あまり意識されません。では、そうした現実はどのような仕組みで成り立っているのか、なぜ人々はそのように振る舞うのか、じっくり考えてみましょう。

主な担当授業科目

社会学概論/社会学演習/グローバリゼーション

所属学会

 日本社会学会/日本アフリカ学会/日本文化人類学会/日本平和学会/関西社会学会/International Sociological Association

経歴・活動歴

 1973年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、大谷大学講師、准教授を経て、現在同大学教授。

主要著書・論文

単著

  •  『紛争後社会と向き合う——南アフリカ真実和解委員会』(京都大学学術出版会、2007年)
  •  『真実委員会という選択——紛争後社会の再生のために』(岩波書店、2008年)
  • Unintended Consequences in Transitional Justice: Social Recovery at the Local Level. Lynne Rienner Publishers, 2018.

単編

  • The Khmer Rouge Trials in Context. Silkworm Books, 2019.

論文

  •  ‘Reconciliation as Process or Catalyst: Understanding the Concept in a Post-conflict Society’, Comparative Sociology 11(6), 2012.
  • ‘Mediated Multinational Urbanism: A Johannesburg Exemplar’ (Obvious Katsaura and Toshihiro Abe), Social Dynamics 42(1), 2016.
  • 「移行期正義の社会学——集合行為の意図せざる連鎖を通じた社会的回復の可能性」、『社会学評論』72(3)、2021年
  • ‘Competing Local Knowledges of an Indigenous Plant: The Social Construction of Legitimate Rooibos Use in Post-Apartheid South Africa’, in African Politics of Survival: Extraversion and Informality in the Contemporary World (Mitsugi Endo, Ato Kwamena Onoma and Michael Neocosmos eds., Langaa RPCIG, 2021).
  • 「集合的アイデンティティの経時的変化——ASEAN諸国のサッカー代表選考の動向から」、山口大学時間学研究所編『時間学の構築Ⅳ 現代社会と時間』(恒星社厚生閣、2022年)