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2018年度新着一覧

2018/08/28【学術研究】

真宗総合研究所東京分室主催公開研究会
「監獄教誨の歴史と現在——「悪」からみた近代」を開催

2016年4月に開所した真宗総合研究所東京分室における研究活動として、各PD研究員の個人研究のほか、東京分室長とPD研究員による共同研究「宗教的言語の受容/形成についての総合的研究—哲学的・宗教学的・人類学的視点から—」を行っています。

その研究活動の一環として、「宗教と人間」をテーマとする公開研究会を随時開催しています。第5回として8月3日(金)に明星学園教諭/早稲田大学現代政治経済研究所特別研究所員の繁田真爾氏をお招きし、「監獄教誨の歴史と現在——「悪」からみた近代」の講題で研究会を行いました。

  • 講師の繁田真爾氏
  • 研究会の様子

講師の繁田真爾氏/研究会の様子

講師の繁田氏は、近代の思想史・仏教史を専門とされ、その中で清沢満之に深い関心を寄せられています。特に清沢が「悪」ということに深い眼差しを向けていたことに注目し、その「悪」の思想と近代日本社会との交錯の場として監獄教誨の歴史を研究されておられます。その繁田氏に、現代における死刑制度ということまで視野に入れながら監獄教誨についてのお話をいただき、その後議論を行いました。

講演は、まず監獄(刑務)教誨の現在として、現代に宗教教誨がどのように実施されているのか、その実施状況や受刑者の意識など、具体的なデータを用いながら説明されました。その上で、監獄(刑務)教誨の歴史として、今日まで続く監獄教誨の起源にまでさかのぼり、そこに一貫した理念として「悔過遷善」があることを述べられました。そのような教誨事業の中で、清沢と同時代には人間の「悪」に共感し主体の矯正を第一義とはしない異端的教誨師が登場することや、昭和初期には治安維持法制定に伴う思想犯教化として教誨事業への期待が高まったこと、特に死刑制度をめぐって「矯正」と「死刑」との矛盾に直面する教誨師の発言など具体的事例を通しながら、教誨師たちが抱えたジレンマを紹介されました。そして最後に教誨制度・死刑制度について、制度の歴史と当事者の声をふまえながら考えていくべきことを提言されました。繁田氏の講演に対し、その後の質疑では、様々な視点から意見が出され、活発な議論が交わされました。

【真宗総合研究所】

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