2014/10/27【学術研究】
2014年度大谷学会研究発表会
2014年度大谷学会研究発表会 詳細
日時 | 10月27日(月)13:00~16:10【予定】 |
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会場 | 大谷大学 メディアホール(響流館3階) |
「仏教とスピリチュアリティに関する一考察」
新田 智通 講 師 【仏教学(インド)】
研究発表要旨
近年、仏教と「スピリチュアリティ」という概念とが結び付いた、新たな運動が急速に広まりつつある。その土台となっているのは、「癒し」や「心のケア」を目的とした様々な心理学的アプローチであるのだが、そこにおいて見いだされる「仏教」は、従来の仏教と多くの点で異なっているにもかかわらず、これまで十分な検証がなされてこなかった。本発表では、そうした検証作業の準備段階として、「スピリチュアル仏教」とでも言うべき、この新たな運動にみられる諸特徴や問題点について整理したい。 |
「地域祭礼と祭礼文化圏」
野中 亮 准教授 【宗教社会学・地域社会学】
研究発表要旨
だんじり祭は、大阪湾一帯に分布する曳き山祭りの一種であり、広大なエリアで類似の祭 礼が多数開催されている。本報告では、泉州地方、特に岸和田市と堺市鳳地区のだんじり祭を比較検討することを通じて、類似祭礼の集積がより広域での文化圏的ネットワークを構築していることを指摘し、その意味について検討する。ヒト・モノの周流、地域内/間競争、参照関係をキーワードに、個々の祭礼単位の分析では析出できない、文化圏的ネットワークが地域に及ぼす影響について考察を加える。 |
「現代沖縄と親鸞思想—彫刻家・金城実をめぐって—」
福島 栄寿 准教授 【近代日本仏教史・近代日本思想史】
研究発表要旨
本発表は、沖縄県読谷村在住で、反戦・平和活動家としても著名な金城実(1939年~)の彫刻家としての側面や、彼が培ってきた親鸞思想とその反戦・平和思想との関係に着目し、現代沖縄における親鸞思想の展開について考察することを目的とする。金城における親鸞思想の受容は、戦後真宗思想史の沖縄的展開の一端を知る手がかりともなるであろう。 金城は、沖縄戦等の歴史的出来事を彫塑作品に表現し、記憶化する営みを行ってきたが、それらの作品創作をめぐって書かれたテクストや作品そのものにも着目して考察したい。 |
「人間存在の基礎構造としての教育」
川村 覚昭 教 授 【教育哲学・教育人間学・仏教教育学】
研究発表要旨
人間は誰しも子どもから出発するが、その事実は、他の動物と比較すると極めて特殊な意味を持っている。それは、人間の子どもは最初から教育を受けねばならない存在として生まれてくることである。今回の発表では、この事実に注意しながら、人間と教育の関係性を考えたいと思う。特に、教育学は人間形成の学としてこの関係性を解明しなければならないが、そのためには教育学はどのような視点をもたねばならないかについても併せ考えたいと思う。 |
タイムスケジュール
13:00 開会 13:10 研究発表・質疑応答 「仏教とスピリチュアリティに関する一考察」 新田 智通 講 師 【仏教学(インド)】 13:50 研究発表・質疑応答 「地域祭礼と祭礼文化圏」 野中 亮 准教授 【宗教社会学・地域社会学】 14:30 休憩 14:40 研究発表・質疑応答 「現代沖縄と親鸞思想—彫刻家・金城実をめぐって—」 福島 栄寿 准教授 【近代日本仏教史・近代日本思想史】 15:20 研究発表・質疑応答 「人間存在の基礎構造としての教育」 川村 覚昭 教 授 【教育哲学・教育人間学・仏教教育学】 16:00 閉会 16:10 終了 【予定】 |