研究内容

明治維新から150年、この国はいかなる歴史を辿り、いまに至るのだろうか。そして、人びとは、いかなる喜怒哀楽を抱え、苦悩し、思索しながらこの時代を生き抜いてきたのだろうか。明治以降の歴史を見つめ直すとき、とりわけ戦争の歴史を視野に入れないわけにはいかないだろう。時代を生き抜いた人びとの視点を大切に、この国の近現代史を多面的に明らかにしたい。特に最近は、沖縄近現代史に関心を寄せている。

ゼミ紹介

日々の学修活動を通して見つけた課題をもって様々な文献・史料を読み込み、時にはゆかりの場所をフィールドワークし、学生自らが成長を実感できる学びを体験してもらいたいと考えています。研修旅行として、2014・2019年度は沖縄(辺野古、摩文仁丘、国立ハンセン病療養所愛楽園など)、2015・2018年度は長崎(軍艦島・大浦天主堂・出島など)、2016年度は広島(原爆ドーム、毒ガス島など)を企画し、多くのゼミ生が参加しました。ゼミでは2年生時から各自のテーマを見つけることから始め、一歩ずつ卒論作成に向けて取組みます。近年の卒論のテーマには、「戦後の滋賀県における青年団研究」「京都における知的障害児教育の展開」「徳島県への学童集団疎開」「近代日本とハンセン病─沖縄愛楽園を中心に─」「インパール作戦の真実と虚構─陣中日記と新聞報道の比較を通して─」「帰還特攻隊員と振武寮—隠された「軍神」—」「石井十次研究—岡山孤児院を中心に—」「宝塚少女歌劇団による戦争協力—北支皇軍慰問団と機関紙『歌劇』を中心に—」「戦後初期沖縄の運動—瀬長亀次郎と人民党を中心に—」「全学連の研究 新聞報道を手がかりに」「指紋押捺制度と拒否者たち」「糸賀一雄と近江学園」「新聞の比較から見る報道管制—東南海地震の報道を例に—」「パチンコの社会史的研究」「国際化する明治仏教と新仏教の台頭—中西牛郎を中心に—」「大山時雄と『朝鮮時論』」などがあります。宗教史・仏教史・教育史・言語学・女性史・衛生史・メディア学・文化史・災害史・福祉史など、多種多様な問題関心から取り組めます。なかには研究を続けるために大学院へ進学するゼミ生もいます。
 

主な担当授業科目

【院】仏教文化特殊研究(演習)/【院】仏教文化特殊研究(論文指導)/【院】仏教文化特殊研究(講義)/【院】専攻交流演習/歴史学演習/史学概論/日本仏教史

所属学会

仏教史学会/日本近代仏教史研究会/日本思想史学会/日本史研究会/真宗連合学会/日本宗教学会/「宗教と社会」学会/日本仏教綜合研究学会/ハンセン病市民学会/歴史学研究会

経歴・活動歴

経歴

1965年京都市生まれ。大谷高校(京都)卒業後、山口大学人文学部へ進学。同人文科学研究科修士課程(地域文化専攻)修了後、大谷大学大学院文学研究科博士後期課程(仏教文化専攻)へ進学、1995年単位取得退学。博士(文学)。非常勤講師として京都光華女子中・高校、大谷大学、千葉大学、立命館大学、北海学園大学大学院、九州大学大学院、大谷専修学院などで教える。1996年より京都光華女子大学真宗文化研究所職員、2001年より真宗大谷派教学研究所研究員、2007年より札幌大谷大学准教授を経て、2011年より大谷大学准教授、2017年より現職。

活動歴

滋賀県平和祈念館ボランティア活動[手紙等解読班](2012年~)など

主要著書・論文

単書

  • 『思想史としての「精神主義」』・『近代日本の国家と浄土真宗—戦争・ナショナリズム・ジェンダー—』など

分担執筆

  • 『近代日本宗教史』第2巻など 

論文

  • 「近代日本の「宗教」認識—福沢諭吉の「宗教論」をめぐって—」
  • 「仏教者の自己認識と内地雑居論—日本人論・日本文化論の視点を手がかりに—」
  • 「<近代仏教>再考—日本近代仏教史研究と「鎌倉新仏教」論」
  • 「現代沖縄と親鸞思想—彫刻家・金城実をめぐって—」
  • 「『教界時言』解説」
  • 「明治初年琉球の真宗布教—「真宗法難事件」と廃琉置県(琉球処分)—」
  • 「真宗大谷派における女性教化—明治・大正・昭和・平成の教説を辿る—」
  • 「明治期初期琉球における真宗布教に関する一考察—清原競秀『日々琉行之記』をめぐって—」など 

最新の活動

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