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今という時間

今という時間 - [204]

「外国語を学ぶ」
Didier Wester(ディディエ ヴェステル)

 フランス人と日本人には共通点がある。それは、外国語をあまり話せないこと。しかし、交通の発展によって、情報化によって、報道の国際化によって、外国語に強くないことはいっそう大きな障害になっている。そして世界一の観光地であるフランスにとっても、フランス人が外国から来る訪問者とうまくコミュニケーションをとれないことは本当に残念だと思う。しかし、フランスの文部省は2005年より幼稚園年長から外国語の勉強を始めることを決めた。このことに私は大賛成だ。
 小さい子供は新しいものに好奇心をいだいているし、間違いをこわがらないし、聴力は鋭いし、単語を覚えることも早い。だから外国語の習得のために若い子供特有のこの能力を利用しないことは大変もったいないと思う。
 さらに外国語を学ぶことは異文化の発見に、ひいては異なった価値観の認識につながる。若い子供の世界の中にはもともと人種差別がない。少年時代に、異文化との出会いが少ないことが外国人に対する不安を生む。若いうちの外国語の授業中にインターネットなどで外国人の子供とコミュニケーションがとれれば、その異文化に対しての恐れなど生まれようがない。
 2005年に幼稚園年長となる子供達は、2018年に高等学校を卒業する。その時、彼らの真の「外国語力」、外国人とのコミュニケーションの気軽さ、異文化受容の自然さを見ることができるのを、私は今から大いに楽しみにしている。

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