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今という時間

今という時間 - [201]

「寿司ワイン」
Didier Wester(ディディエ ヴェステル)

 フランス食文化の一つの特徴として、料理それぞれにしかるべきワインがマッチしなければならないことは有名だ。しかし寿司と相性がいいワインを見つけることはなかなか難しいようだ。この程、寿司が大好きなフランスのぶどう栽培者が、色々な白ワインをブレンドして「sushiwine」という新しいワインを造ったという。長年日本に暮らし、寿司には日本酒が一番合うと思っている僕は、まず理解に苦しんだ。
 しかしよくよく考えると、僕も含めたフランス人が、フランスワインで楽しむ外国料理は数多い。イタリアのパスタ、北アフリカのクスクス、インドのカレー等は最早「フランス料理」に仲間入りしたと言えるだろう。フランス人は、フランスワインとこれらの料理を楽しむことに不自然さを感じない。
 だとしたら、寿司と合うワインが造られることは、フランス人にとって寿司が日常化してきた証拠なのではないだろうか。今、フランスにはおよそ450軒の和食レストランがあるそうだ。そして日本料理、特に寿司は人気がある。
 多くのフランス人がクスクスを食べている時に北アフリカに思いを馳せないように、寿司を食べる時に日本を連想しないようになるまでには、まだ時間がかかるかもしれない。しかし寿司は確実に市民権を得ているようだ。とにかく、今度フランスに帰る時には、「sushiwine」と寿司のハーモニーを試してみよう。

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