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今という時間

今という時間 - [186]

「道標(みちしるべ)」
Didier Wester(ディディエ ヴェステル)

 山登りが好きだ。週末など、京都の北山を良く歩く。北山は2時間ぐらいで山頂に達する山が多い。今年の夏は、久しぶりにフランスの山でハイキングをした。4時間かかったが、北山のハイキングと比べると楽だった。何故だろう?そう、古い死火山のそのフランスの山は低木しかないため、麓から山頂到着まで、ハイキングの間中、目的地である山頂を望むことができたからだ。目指すべき場所を見ながら安心して進むことができる。北山では到着するまで山頂を望むことができないので、心中穏やかでないときがある。道は間違ってないか?あとどれぐらいあるのか?不安になるのだ。
 現在の若者の不安も同じである。今、若者にとって自分の将来を思い描くことは難しい。大学を卒業して就職できるか?就職してもリストラにあうのでは?充実した人生を得るために今何をすべきか?どの道を進もう?自問し答えを見つけられない若者が多くいる。
 話が戻るが、北山では山頂は見えないが『道標』が所々にある。「山頂は左へ」「山頂まで30分」などと書かれたものだ。北山に詳しい人が設置してくれたものだろう。その道標のお陰で、結局いつも無事に山頂に行き着ける。
 若者にとってもそれは同じだ。山頂は見えないかもしれない。しかし、見えない山頂に到達するために、彼らより社会を良く知っている我々大人、企業、自治体、学校、親が力を合わせて、道標を作る努力を怠ってはならない。

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