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今という時間

今という時間 - [178]

「熱き思い」
中桐 伸吾(なかぎり しんご)

 日韓共催のワールドカップは、日本がベスト16、韓国が4位と大きな成果を残した。その熱狂ぶりはテレビの視聴率にも現れた。特に日本対ロシア戦では66.1%を記録するなど、非常に多くの人が観戦していたことが分かる。
 私は「人は何故スポーツを見るのか」について研究をしているが、その動機を調べることによって、スポーツのもつ魅力が明らかになると考えている。スポーツは「遊び」から発展し、その本質には「おもしろさ」がある。私達は「見るスポーツ」にもおもしろさを感じ、熱中するのである。
 ワールドカップでは普段の試合にはない迫力を感じ、スピーディーで、芸術的な素晴らしいプレーを見ることができる。そして、夢中になって応援しているうちに、自分と選手、自分と見知らぬ観客とが次第に一体化していく。自己の限界に挑戦し、もてる力を十分に発揮しようとする選手の姿から、勇気や元気を与えられ、自分も頑張れるのではないかと思わせてくれる。
 また、現実の生活から離れることにより、ストレスも解消される。そして、サッカーの話題が人と人とを結びつける。
 日韓の若者達が大きな声で互いに相手の国を応援している姿を見たとき、スポーツの魅力は民族を越え、国と国をも結びつけるものだと今更ながら感じた。そしてテレビに向かっておもわず「テーハンミングク」と叫んでいた。

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