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今という時間

今という時間 - [111]

「教育以前の問題」
李 青(り せい)

 一歳になった娘が通 う保育園の保母さんから「(娘が)腕を噛まれてしまった」と告げられ、丁重に謝っていただいた。また、先日は、たまたま我が子が噛まれる場面 を目撃してしまった。不思議に噛んだ子供は誰からも「いけないこと」をしたとも言われなかった。事後、保育園に、「いけないこと」をしたら、我が子は叱って欲しいとお願いした。すると、思わぬ 回答が返ってきた。「私たちの方針は叱らないこと。というのは、そうすることによってびくびくした子供に育ってしまうから」と。ただただ茫然となり、言葉が出てこなかった。
 確かにまだ赤ちゃんを脱していない子供に怒っても仕方がない。物事がわかり始めたころから、大人がことの良し悪しを教えることは肝心ではないのか。
 そういえば、教壇に立つ自分も学生への対応に手を焼くことが多い。うっかり学生の気に障ることを言おうものなら、大変な目にあう。叱られると、まずはしょんぼりする。謝るどころか、いつの間にか教室から姿を消してしまう。校内暴力、いじめによる自殺、学級崩壊、学校環境は深刻だ。広義の教育(しつけ、道徳)がなっていない子供がいるようだ。やはり物事の善悪を判断する力と社会の常識、これらは幼児から教えても悪くはないように思われる。親だけではなく、昔は必ずいた「近所の恐いおじさん」に復活して欲しいものだ。

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