高大連携

参加型講座(文学部)

各学科の教員が、それぞれの専門分野・研究内容に関連した体験型の模擬授業を実施します。受講生は一方的に聴講するだけでなく、主体的に参加することが求められます。各担当教員の研究内容等につきましては、ページ下部の「関連リンク」をご参照ください。
また、掲載されている教員以外にも左メニューの「教員一覧」をご覧いただき、講師をご指定いただければ、日程調整等をいたします。
なお、授業等の都合により、ご希望の講師や出張講義を調整できない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

「自分にであう?」学び

西本 祐攝 講師(真宗学科)/【真宗学】

「人は、人生において必ず1人の人間に出会わなければならない。それは私自身です。」ある仏教者の言葉ですが、とても不思議な言葉ですよね。私たちは日常生活でさまざまな出会いを経験します。友達、先生、尊敬する人、家族など、それらはどれも他者との出会いです。では、その人たちと出会う私は、どんな人なのでしょうか。自分と出会うことの大切さ。この課題を、世代を問わず愛される“あの大人気マンガ”と仏教説話を題材に、グループワークをとおして語り合い、考え、感じてもらいたいと思います。

高校生のための人間学

箕浦 暁雄 教授 (仏教学科)/【仏教学(古代インド仏教思想研究)】

箕浦 暁雄

いじめがいけないことはわかっています。戦争がいけないこともわかっています。でもなぜ私たちはしてしまうんだろう。対立を超えて共に生きることはできないんだろうか。何世紀にもわたって伝えられてきた古代インド仏教の書物に説かれる物語を紹介します。それをヒントにこのような難解な問いの答えを、グループワークをとおして考えます。映像や写真資料を使った大学のユニークな授業をみなさんに体験してもらいます。

ほんとうにたいせつなこと

上野 牧生 講師(仏教学科)/【仏教学】

もし、今日が人生最後の日であるとしたら、あなたはどのように過ごしますか? 誰といっしょにいたいですか? こう問いかけてみると、普段の生活のなかでは見えにくい、けれども、たいせつなことが見えてくるのではないでしょうか。今、何をやるべきなのか。ほんとうに必要なものは何か。
この講座では、最初に受講生が個人で「最後の日の過ごし方」を作成します。続いて複数のグループに分かれ、講師が提示する分類法にしたがい「過ごし方」を分類します。最後に、グループごとに発表します。この作業をとおして
「ほんとうにたいせつなこと」を考えてもらいたいと思います。

いっしょに哲学してみる

村山 保史 教授(哲学科)/【西洋哲学・日本哲学】

『100万回生きたねこ』や『おおきな木』といった「哲学的な(?)絵本」を題材にあれこれ考えていきます。受講生は少人数のグループに分かれ、講師からの課題に対してグループで解答を考え、発表する作業に取り組みます。グループワークを通じて、「正解のない(かもしれない)問いに対し粘り強く考え抜くこと」、また「さまざまな人とかかわりながら学ぶこと」の意味を受講生に感じてもらいたいと思います。

哲学 —「問題」をつかまえる練習—

脇坂 真弥 准教授(哲学科)/【宗教哲学・倫理学】

哲学や倫理学は早急に答えを探すことよりも「何が問題なのか」をはっきりさせることの方が大切です。この講座では(人数にもよりますが、できればグループでのディスカッション等を取り入れながら)、講師が出した哲学や倫理学の題材について、受講生自身が考え、考えたことを言葉にし、人にわかるように話すこと、そのなかで「問題の形」を他人と少しずつ共有していけるようになることを目標にしたいと思います。

“衣・食・住”から見た中国の歴史

井黒 忍 准教授(歴史学科)/【東洋史(中国近世史・環境史)】

政治や経済、文化芸術等に関わる「大きな」イベントだけが歴史学の扱うトピックと考えられがちですが、じつはそこから抜け落ちた人びとの「小さな」日常生活にこそ地域の特性や伝統、習慣を考えるための鍵が隠されています。中国の歴史を衣・食・住といった日常生活に焦点を当てて解説します。その上で、受講生には日本との比較という観点からグループディスカッションに取り組み、文化の違いや多様性のあり方を考えてもらいたいと思います。

「生きること」の日本中世史

川端 泰幸 講師(歴史学科)/【日本中世史】

日本の中世は、戦乱・飢饉・天災等が打ち続いた時代です。そのなかで、人びとは「生きる」ために、さまざまな知恵や技術を身につけていきました。この講座では、日本中世の人びとが、戦乱・飢饉・天災等に対してどのように対応していったのか、その知恵や技術を紹介します。受講生には、グループワークや大学近郊のフィールドワークをとおして、先人たちの生み出した知恵・技術の一端を「体験」し、「生きること」の難しさや魅力について考えてもらいたいと思います。

普通の言葉の特別な使い方 —自分と世界を変える方法—

國中 治 教授(文学科)/【国文学(近代文学)】

詩は文学の精華、言葉の可能性の宝庫です。けれども現代の日本では、詩は苦手だと感じている人が多いようです。ただ、そのうちのほとんどは食わず嫌いの敬遠ではないでしょうか。ですからこの講座では、ほとんどの人が知らない〈詩の読み方〉を、まず知ってもらいます。詩を読むおもしろさは、作者の言いたいことの解明にではなく、言葉の謎解きにあります。一口に詩といっても多種多様な表現の傾向があるわけですが、個々の作品に即した謎解きの作業を、グループワークやディスカッションをとおして進めていきたいと思います。

言葉と意味

大秦 一浩 准教授(文学科)/【国語学】

知らない言葉に出会ったら辞書を引くものですが、辞書の説明を読んでも分からない場合があります。これは一体どうしたことでしょう。いくつかの事例にあたって、辞書がどうしてわかりにくいのか考えてみます。そして、辞書執筆者になったつもりで、実際にいくつかの言葉の意味を記述してみることを通じ、言葉で言葉を説明することの困難さを考えたいと思います。はてさて、完璧な辞書をつくることは可能なのでしょうか。

世界文学『星の王子さま』の謎に挑む
—自分なりのロジックで物語を解き明かそう—

藤田 義孝 教授(国際文化学科)/【フランス文学・フランス文化】

世界中で読まれているサン= テグジュペリの童話『星の王子さま』の結末に隠された謎を、自分なりの作品読解に基づいて解き明かします。謎に対する自分の考察をそれぞれ発表した後、グループでの議論を通じて説得的なロジックを組み立てていきます。こうした演習を通じて、唯一の正解がない読解の面白さ、協力して謎解きに取り組む醍醐味、他者のアイデアに触れる重要性などに気づくことを講座のねらいとしています。

恋の仕方教えます —『ロミオとジュリエット』をとおしてイギリス文化を知ろう—

三浦 誉史加 准教授(国際文化学科)/【英文学・英米文化】

シェイクスピア作『ロミオとジュリエット』。悲しい結末に描かれるのは、美しい純愛? 周囲に迷惑をかける2人? あなたの感じたことへの考察を深めていくと、移り変わる当時のイングランド社会が浮かび上がります。講座では、2人組やグループに分かれて短いセリフを読み、さまざまなロミオとジュリエットを演じ分けるゲームをとおし、作品に対する自分の考えを具体化します。それをもとに、恋愛・結婚・家族について、現代日本と比較した共通点や相違点を書き出します。作品をとおして当時のイングランド社会のあり様を考え、国際文化を
学ぶとは何かを知ることを目的とします。