大谷大学第2次中長期プラン「グランドビジョン130(2022~2031)」

Be Real -寄りそう知性-

大谷大学は、仏教精神を基盤としています。人間の苦悩を見つめ、誰もが輝いて生きる道を明らかにした釈尊と、その教えが一人ひとりの上に実を結ぶことを身をもって示した親鸞を中心として、自分の生き方を尋ねていく大学です。様々な問題が次々に起こってくる社会の中にあって、本当に大事なことは何なのかをはっきりと見定め、確かな歩みを進めていく人を生み出すことを願いとしています。いわば、現実を見つめ、未来を見通す目と、困難な状況にあってもたくましく歩むことができる足を養う大学です。 この精神を言葉に表したのが「Be Real-寄りそう知性-」です。人間はたくさんの関係の中を生きています。関係に支えられて力が湧くこともあり、関係の中で傷つくこともあります。自分らしさも他者との関係の中で明確になります。お互いが相手を敬うことは何によって成り立つでしょうか。憎しみや怨みを超える道はどこにあるのでしょうか。それを共に尋ね、共に考えていく場として大谷大学はあります。私たちに先立って、道を求めて生きた先人の言葉に聞きながら、行く先を見定めたいと思います。

2022年4月1日
大谷大学 学長 一楽 真

理念・使命

仏教精神に則り、人格を育成するとともに、仏教並びに人文に関する学術を教授研究し、広く世界文化に貢献する。

仏教精神に基づき、社会を主体的に生きることのできる人物を育成する。

将来像

「Be Real -寄りそう知性-」の発揮に向けた、学び空間の創生

適切な世界観をもって、未来を、主体的かつ柔軟に生きることのできる人物を育成する。多様な存在が相互に敬愛する社会の実現を目指し、学生・教職員が挑戦しながら共に学び合える場としての大谷大学を創る。

部門別方針/重点施策 (5部門/29Vision)

教育部門

教育部門[方針]
学生の真に主体的な学びの態度を養う

広く深い視点から社会を見つめ、相互に学び合い、考え、自らの進むべき道を切り拓く態度を養う。課題解決に向けて挑戦し続ける学生の学びに寄りそう。

[重点施策]15Vision

大学教育全体

  • VISION 1
    根本的な問いをさまざまな視点から主体的に深く考究する力の育成
    専門知識に加えた幅広い教養を学生が自ら積極的に身につけるための教育を実践する。
  • VISION 2
    総合的な学修支援体制の構築と関連諸施設の連携強化
    さまざまな学内施設を有機的に連関させることによって学生の主体的な学びを支援する多様で柔軟な体制を構築する。
  • VISION 3
    グローカル(グローバル&ローカル)に活躍・貢献する総合力の育成
    世界を舞台とする視野と地域に根差した視点をもって様々な国や地域で幅広く社会に貢献することのできる「総合力」を育成するための学習環境を整備する。
  • VISION 4
    主体的なキャリア開発(就職・進学)の支援
    知識を総合して新たな発想や思考を導き出す実践的な学修活動を通して、個々のキャリア開発を支援する。

文学部

  • VISION 1
    学科の学びを「総合」した教育と学外研修の積極的な運用
    5学科の専門科目を横断的に学修できる独自の学びを提供すると共に、実地踏査等による見聞からコミュニケーション力や柔軟な思考力を養う。
  • VISION 2
    国際化の進展に向けての語学力の向上
    専門知識と幅広い教養を、外国語によって表現する力を養う。

社会学部

  • VISION 1
    社会経験を通した実践的な学びの充実化
    学科と地域連携室(コミュ・ラボ)が協働する実践的教育活動の充実をはかると共に、本学ならではの人的ネットワーク(地域、卒業生、宗教関係等)を活用した社会経験の機会を拡充する。

教育学部

  • VISION 1
    伴走者-贈与者としての教育者・保育者の養成
    仏教精神に基づき、子ども一人ひとりの主体的な学びを最大限に引き出す伴走者となり、時には一切の見返りを求めずに他者のために全力を捧げる贈与者となる教育者・保育者の育成を目指す。

国際学部

  • VISION 1
    文化的他者との交流機会を活用した教育の拡充
    外国人や留学生など文化的他者との交流機会を教育に活かす体制を整える。

大学院人文学研究科

  • VISION 1
    汎用的(トランスファラブル)な力をもった知のプロフェッショナルの育成
    高度な専門的知識、思考力、コミュニケーション能力といった汎用的な力をもった「知のプロフェッショナル」を、人間教育を通じて育成する。
  • VISION 2
    専門分野を超えた横断的な教育環境の構築
    異なった分野や環境での学びに触れて研究を深めるクロスオーバー・ラーニングのプロセスを加える。
  • VISION 3
    大学教員をめざす博士後期課程学生のキャリア支援
    教育・研究能力の開発を促進し、大学教員をめざす博士後期課程学生のキャリア支援を行う。

学生の受入れ

  • VISION 1
    アドミッション・ポリシーに適合した入試制度開発
    新しい教学マネジメント体制を見据えて学部ごとの受入れ方針(アドミッション・ポリシー)を明確にすると共に、学習指導要領の改訂に対応した入試制度を整備する。
  • VISION 2
    高大接続事業の推進
    高大接続事業は、特に同一法人校である大谷高校との連携を強化しつつ、本学の教育内容を理解する学生の受入れを意識した新たな高大接続事業を整備する。
  • VISION 3
    多様な学生の受入れ推進
    障がいのある学生を合理的配慮のもとで適切に受入れる体制を強化すると共に、留学生・社会人等の受入れを促進する。
学生支援部門

学生支援部門[方針]
多様な学生を受け入れ、成長を支える

さまざまな個性や特性を有した学生を国内外から広く受け入れ、それぞれの充実した学生生活を支援する。学生が「自分らしくある」と感じられるような大学生活の実現を目指す。

[重点施策]4Vision
  • VISION 1
    学生の主体的な成長を支援する体制の構築
    学生がさまざまな活動に積極的に挑戦し続けることができるように、教職員および関連施設が連携した支援体制の充実を図る。また、学生の相互支援システムとしての「ピアサポート制度」を導入する。
  • VISION 2
    障がい学生支援体制の整備
    障がいのある学生が、安心して学生生活を送ることができるように、障がい学生支援に対する理解を深め、環境面・心理面双方のバリアフリー化を目指す。
  • VISION 3
    LGBTQなど多様な背景を持つ学生の支援
    誰もが安心して学生生活を送ることができるように、他者理解を深めるための研修を充実させると共に、公平な教育環境の提供を推進し持続する。
  • VISION 4
    キャリア支援制度の充実
    学生一人ひとりのニーズに対応したキャリア支援(就職・進学)の充実を図ると共に、就職支援協定自治体や企業・事業所・卒業生との連携強化によるインターンシップ・就職支援の充実を図る。
研究部門

研究部門[方針]
「人間のあり方を問い続ける」研究活動をより一層推進する

「人間のあり方を問い続ける」研究活動を継続し、仏教を基盤とした伝統的な研究を発展させる。近・現代を反省的に問い返し、社会的な諸課題の克服に向けた学際的な研究を推進する。

[重点施策]3Vision
  • VISION 1
    研究の多様性と社会還元の推進
    学術資源の保存・継承・活用を通して国内外へ研究成果を公開すると共に、多様な研究活動を支援する体制を整える。特に社会的課題の克服に向けた研究活動を強化する。
  • VISION 2
    仏教精神を基軸とした研究活動の国際的拠点化
    「真宗総合研究所」の活動における国際交流を推進し、仏教研究の国際的拠点化を目指す。
  • VISION 3
    教育研究支援機能の高度化
    教育研究支援機能を検証、再整備して、教育と研究の連接を強化する。情報管理体制の一元化および情報通信ネットワーク環境の高度化を目指す。
社会連携部門

社会連携部門[方針]
地域に開かれた大学としての社会連携事業を積極的に展開する

教育・研究資産を活用した事業を通して広く社会と連携すると共に、地域連携室(コミュ・ラボ)が中心となり、学内外の諸機関と協働して社会的活動を展開する。

[重点施策]2Vision
  • VISION 1
    仏教を軸とした生涯学習講座の充実と新たな価値の創出
    仏教的教養を主軸とした生涯学習機会提供の充実を図ると共に、事業の円滑な運営推進のためにICTを活用した環境を整備する。
  • VISION 2
    知の拠点創出に向けた地域連携事業の展開
    学生と地域の人たちが共に学び合い、育ち合う実践的な環境を整備する。活動によって得られた成果を再び社会に還元し循環させることで、地域社会の諸課題に取り組む知の拠点としての「地域連携室(コミュ・ラボ)」づくりを目指す。
管理運営部門

管理運営部門[方針]
安定的かつ柔軟な管理運営体制を確立する

教育・研究のさらなる発展のための管理運営体制を強化すると同時に、社会の変化に柔軟かつ適切に対応できる大学となることを目指す。

[重点施策]5Vision
  • VISION 1
    安定した財政基盤の構築および健全な財政運営の推進
    永続的な大学運営のための中長期的な財政計画を策定する。また、策定した財務計画を実現するために、入学者の確保や外部資金の獲得に向けた取り組みを推進する。
  • VISION 2
    管理運営システムの点検および再構築
    教職員が働きやすく、一人ひとりが能力を最大限発揮できる職場環境を整備する。
  • VISION 3
    キャンパス整備計画の構築および推進
    人と自然にやさしく、安全で学びやすい環境づくりのためにSDGsを視野に入れた大規模修繕・改修計画を策定し推進する。また、多様な背景を持つ学生・教職員や新たな教育手法および研究手法に対応できる施設・設備を整備する。
  • VISION 4
    大学運営に力を発揮できる教職員の育成
    大学運営における戦略の策定やその遂行に力を発揮できる教職員を育成する。また、教職員の問題意識や提案が大学運営や改革に活かされる機会づくりを推進する。
  • VISION 5
    「校友会」およびその他の外郭・協力団体との連携強化
    大谷大学と校友会(同窓会や教育後援会など)、また大谷大学とその他の外郭団体・協力団体などとの連携を見直し、新たな協力体制を整備する。