研究内容

 中国における水利用の歴史について研究しています。水の希少な地域においては、限られた資源をどのように分配し、持続的に利用するかが生を営む上での鍵となります。中国近世の社会において、資源の分配・管理を行うために民間信仰や宗教教団が果たした役割とその変化を明らかにし、さらに進んで、環境と宗教・信仰という大きな問題に取り組んでいきたいと考えています。また、東・北東アジアの国際関係史についても関心をもっています。

ゼミ紹介

 卒業論文作成のための基礎力向上を目的として、1)漢文の読解、2)先行研究の収集と読解のトレーニングを行います。漢文の読解に関しては、返り点の解説など初級レベルから始め、徐々にレベルアップを図ります。これと並行して、論文の読解方法を学びながら、先行研究の検索と収集に関する情報リテラシーの向上をめざします。扱うテーマは中国の近世以降を中心としますが、学生が主体的に選択したテーマを優先します。

主な担当授業科目

 歴史学演習/歴史学特殊演習/史学概論/漢文訓読法

所属学会

 東洋史研究会/史学研究会/満族史研究会/内陸アジア史学会/史学会/東方学会/遼金西夏史研究会/中国水利史研究会/The Association of East Asian Environmental History

経歴・活動歴

経歴

 1974年福井県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。大谷大学文学部任期制助手、日本学術振興会特別研究員(PD・大谷大学)、早稲田大学高等研究所助教を経て、2014年に大谷大学文学部着任。

活動歴

 East Asian Environmental History(EAEH)2015ネットワーク委員

主要著書・論文

単著

  •  『分水と支配-金・モンゴル時代華北の水利と農業』

共著

  •  『17世紀以前の日本・中国・朝鮮関係絵図地図目録』

論文

  •  “A Study of Agricultural Water Supply Technology in 18th century Northwestern China: Historical Knowledge and the Response to Desertification”
  •  「清濁灌漑方式が持つ水環境問題への対応力-中国山西呂梁山脈南麓の歴史的事例を基に」
  •  「受書礼に見る十二~十三世紀ユーラシア東方の国際秩序」
  •  「金初の外交史料に見るユーラシア東方の国際関係-『大金弔伐録』の検討を中心に」