博物館

2012年度秋季企画展  「物語の世界」

「物語の世界」

  • 会   期

    9月 4日(火)~ 9月 22日(土)

  • 開館時間

    10:00~17:00(入館は16:30まで)

  • 観 覧 料

    無料
    ※省エネ対策の一環として京都市が実施する「クールスポット」に協賛

  • 休 館 日

    日・月曜日

  • 備   考

    ※本館には駐車場がありません。
    ※ご来館の際は、公共交通機関をご利用ください。

2012年度秋季企画展
「物語の世界」開催にあたって/大谷大学博物館

このたび大谷大学博物館では、秋季企画展として「物語の世界」展の開催を企画いたしました。

平安時代から鎌倉時代にかけて、仮名散文による創作文学が盛行しました。物語文学は、狭義には平安期の「作り物語」「歌物語」を言います。一方、鎌倉時代から室町時代には、武士の戦闘を主軸に、時代や社会の変動そのものを記録した「軍記物語」が出現します。また、口承文芸のうち、散文で表現されたものを説話文学と言います。さらに、室町時代には短編の物語小説として御伽草子が現れました。

本展覧会では、『古今和歌集』の成立後、貴族社会の中で関心が寄せられた「歌語り」を母胎とする『伊勢物語』と、先行する諸文学の遺産を統合し、平安貴族の生活を克明に描いた『源氏物語』を紹介した〈物語〉、鎌倉時代の戦乱を描いた『保元物語』『平家物語』や、動乱における個人の運命を活写する『義経記』を紹介した〈軍記〉、説話文学の内で仏教説話に分類される『宝物集』『沙石集』や、室町時代に現れる短編の物語小説である『釈迦の本地』『鉢かづき』などを紹介した〈説話・御伽草子〉の三つのテーマをもうけて「物語の世界」を紹介します。

平安貴族の感性が生み出した物語文学、武士の台頭を背景とする軍記物語、多種多様な説話や御伽草子の世界など、本館が所蔵する古典文学作品の特色の一端をご覧いただければ幸いに存じます。