博物館

久多の大般若経

2007年度秋季企画展
「仏教の歴史とアジアの文化VIII 久多の大般若経」

 京都市左京区の北端、滋賀県に接する久多は、古く平安時代の藤原道長創 建になる法成寺の寺領とみえてより、室町幕府直轄地領や醍醐寺領として知られ、連綿と独自な文化を今に伝えています。なかでも8月におこなわれる花笠踊りは国の重要無形文化財に指定され、その文化の高さの一端が見て取れます。また、花笠踊りの拠点でもある志古淵神社は鎮守として存在し、その社殿も京都市指定の文化財となっています。
 去る2004年、京都市文化財保護課の調査により、毎年8月に観音堂で転読に使用され、志古淵神社に保管されてきた『大般若波羅蜜多経』は、その奥書から鎌倉時代初期にさかのぼる貴重な資料であることがわかりました。そして、この経典は京都市文化財保護課の要請もあり、調査を目的として、本館に寄託されました。これまでの調査の結果、鎌倉時代初めに書写され、中世・近世と修補されながら大切に守られてきたこと、書写や修補に多くの人びとがかかわったことなどその概要が明らかになり、今度、その報告をかねた展覧会を開催する運びとなりました。
 本展覧会では、久多の志古淵神社に永く保管されていた『大般若波羅蜜多経』を中心とし、その歴史的意義や重要性を広く紹介いたします。
 なお、同時に大谷大学博物館学課程受講生により、「久多の歴史」「志古淵神社」「大般若経の信仰」の各テーマによる実習生展も併催します。

会期 2007年9月11日(火)~29日(土)
休館日 日・月曜日
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料 200円(一般・大学生) 100円(小・中・高校生)
本学在学生・同窓生は無料
※本館には駐車場がありませんので、
ご来館に際しましては公共交通機関をご利用ください。

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