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生活の中の仏教用語

生活の中の仏教用語 - [312]

アバター

「アバター」
門脇 健(教授 哲学)

 「アバター?そんな言葉は私の生活の中にはないぞ!」と読者諸賢がご立腹なさるのももっともである。「アバター」なる言葉は、この世ではなくあの世の生活に関係する言葉だからである。しかし、あの世といっても死後の世界ではなく、インターネットやゲームなどの「仮想世界」のことである。その仮想世界で、この現実世界の「私」の分身をつとめるキャラクターを「アバター」と呼ぶのである。細田守監督のアニメ『サマーウォーズ』で描かれていたのをご存じの方もおられるであろう。小説でも、たとえば『吾輩は猫である』の苦沙弥先生と猫も作者・漱石の「アバター」と言ってもよいであろう。

 この「アバター」(avatar)はサンスクリット語のavatāraを語源とする。仏教漢語の「権化」「化身」に対応する語である。つまり、真の世界の存在が仮の人間界に現れる姿をアヴァターラと呼び、ヒンドゥー教では、この世に現れたゴータマ・ブッダもヴィシュヌ神の十のアヴァターラのうちの一つとしている。生身のブッダはこの仮の世に送りこまれたアバターだったというのである。

 しかし、現在アバターという語を使うとき、インド的世界観とは逆転して、この世の人間界が真の世界となっている。あるいは、人間界が自らを真の世界だと主張して、そこから新たに仮の世界が構築したと言うべきかもしれない。いずれにせよ、真と仮の区別があると、この私の住まう世界こそ真の世界だという覇権争いが起こる。人工知能がインド的なキャラクターをまとうアバターとなって仮想世界から現実世界を攻撃する『サマーウォーズ』は、仮と真の覇権闘争を描いたものであった。

 おそらくそのような問題に気付いていた大乗仏教は、そこから空、中観そして一如ということを主張した。親鸞は次のように述べている。「すでにもって真仮みなこれ大悲の願海に酬報せり」(『教行信証』真仏土巻)。真の仏土そして仮の方便化身土は一如なる大悲の願から展開されているというのである。真仮のどちらか一方だけが真実というのではない。大悲の願はこの二つを超え包んでいる。本体もアバターも超え包んでいるのである。

(『文藝春秋』2012年10月号)

※10月に発売される『文藝春秋』11月号は、織田顕祐教授(仏教学)による「玄関(げんかん)」です。

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