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生活の中の仏教用語

生活の中の仏教用語 - [309]

世界

「世界」
門脇 健(教授 哲学)

 マイケル・ジャクソンらが作り唄った「We are the world」。「私たちは世界である」と訳したのでは意味が通じない。この場合のworldは「神の被造物」という意味である。だからその次に「私たちは(神の)子どもである」と唄われたのだ。近代日本語の「世界」が、『旧約聖書』文脈の「ワールド」に仏教漢語の「世界」を当てることで成立したがゆえの混乱である。仏教語の「世界」には「被造物」という意味はなく、空間的広がりを示すのみである。

 『倶舎論(くしゃろん)』などに見られる「三千大千世界」は壮大な宇宙を表すが、大乗仏教での「世界」は、薬師仏の浄瑠璃(じょうるり)世界などに見られるように、仏が衆生救済のために建立した国土を指す。『仏説阿弥陀経』では次のように語られる。

 「これより西方十万億の仏土を過ぎて世界あり、名づけて極楽という。その土(ど)に仏まします。阿弥陀と号す。いま現在に説法したもう。」

 阿弥陀の浄土が極楽世界として、娑婆をはるかに超越した彼岸的世界として登場する。しかしそれは、もとは人間であった法蔵菩薩が人々を救済せんと修行して建立した世界である。そして阿弥陀仏と成り、極楽世界からいま現在に人間に向かって説法している。火の如く燃え盛る煩悩の縁起を見極め、涅槃寂静の世界に生まれよと説いているのである。

 たいして、『旧約聖書』の神によって創造された世界には、神の設定した意味と目的がある。そのような世界から、涅槃寂静をそして究極的には「空(くう)」を説く仏教を見ると、ニヒリズムということになる。

 しかし、一九世紀末にニーチェによって「神は死んだ」と宣言されると、今度はその創造された「世界」の意味と目的が崩壊し、ニヒリズムがあらわになる。いま現在、その空虚を埋めるように人々は貨幣という新たな価値を求めて奔走する。そこにはもはや「神」も「世界」もなく、グローバルな空間が広がるだけである。どこまで行っても満たされない煩悩が燃え盛り、ニヒリズムはますます深まってゆく。

 「空(くう)」の教えが聞かれ、欲望に縛られているわが身が照らされ、浄土という清浄「世界」が人々に開かれねばならないのは、いま現在である。

(『文藝春秋』2012年7月号)

※7月に発売される『文藝春秋』8月号は、織田顕祐教授(仏教学)による「肉眼(にくげん)」になります。

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